目覚ましが鳴る前に目が覚めた
テレビの星座占いでは1位
朝ごはんは大好きなフレンチトースト(1人暮らしなので作ったのはわたしだけれど)
窓から見える空は雲一つない快晴!


きっと、いや確実に今日はいい日に違いない。
今日から通う立海大附属中学校の制服を身につけ姿見の前に立つ。
なかなか似合っているんじゃないか?と1人にやにやしながら鞄を持ち、行ってきます。と誰もいない家に声を掛けて学校へ向かう。
今なら友達100人も余裕だななんてくだらない事を考えながら校門をくぐったのだった。





朝の言葉を撤回する。どこがいい日だ。
入学式のため向かった体育館には何故かわたしの席がなく自分で椅子を運んで席を作り、教室に入ればまたもや先生の手違いでわたしの席が無くしばらくの間晒し者にされた。(どんだけ存在感がないのかと少し落ち込んだ)
更に午前で終わると思っていたが実は午後までだったらしく昼食を持ってきていなかったわたしは購買にパンを買いに向かった。無事にパンを手に入れ教室に戻ると既に女の子達のグループは出来上がっておりわたしの入る隙はなくなっていたため、仕方なく中庭の木の影に腰掛けたのだった

そして今

何故か目の前で倒れている人物を見つめる。
パン(5個入り99円の激安)を食べているわたしの前にふらっと現れ突然倒れたのだ。
なんだかよくわからないのでとりあえずその人(先輩?)を無視して食事を再開する。


「食べ物…」
ビクッと肩が跳ねる。
もしかしてわたしに気付いてる?
いや、ないない。わたしの影の薄さは午前中に証明されたはずだ。

その声を無視してもくもくとパンを食べる。

「プリ…」


「…」



「ピヨ…」

やばい本格的におかしい人だ。
此処を離れよう。と荷物をまとめた時だった

「無視とはいい度胸じゃのぉ」
「ふおぉっ!」

ガシッと足を掴まれ叫び声が出る

「お前さん、パン持っちょったじゃろ?」

声をあげたわたしなんてお構い無しに話を続ける先輩らしき人。

「ちょ、何ですか変態ですか!このパンはわたしの物ですよ!って、痛い痛い!」
「目の前で死にかけてる人がいるのにお前さんは見捨てるんか…。鬼じゃ!」
「どこが死にかけですか!死にかけてるのは毛根だけでしょう!」
「これは染めてるんじゃ!」

足をがくがくと揺さぶられポロっと腕からパンがこぼれ落ちる。
手を伸ばすがその前に先輩に奪われそのまま先輩の口の中へと消えるわたしのパン

手を伸ばした状態で固まっているわたしを笑いながら先輩は校舎へと帰って行った。


学校をやめたくなった1日だった







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