そいつを初めて見かけたのは昼休み。
購買へと向かう途中、何気なく窓の外を眺めると中庭で1人座っている少女を見つけた。
そいつは長い金色の髪を耳にかけながら憂いを帯びた瞳で遠くを見つめていた。
俯きがちの瞳に長いまつ毛
何を考えているのかわからない、きっと何か大きな悩みをもっているのかもしれない。
とにかく、そんな儚げな彼女に恋をした。

「と言うわけなんだよ。お前、よく中庭行くだろぃ?なんか知らねぇ?」

なぁ、仁王!と詰め寄る目の前の友人を見てため息が出そうになる。

十中八九葉月ちゃんだろ。
大きな悩み…確かに葉月ちゃんは友達ができないことを悩んでいた。
授業はほとんど寝ているから昼休みも眠いのだと言っていたし(意味がわからん)俯きがちの瞳とか言うのもただ眠かっただけじゃろ。

「お前さん、その子の事調べてどうする気なんじゃ?」
「いや、まぁ…まずはお友達、みたいな?」

その後を想像しているのかにやにやしているブンちゃんには悪いが確実にその後はこない。
葉月ちゃんは何故かイケメン耐性がある。
俺といても顔色一つ変えんしブンちゃんじゃ無理じゃろ。
紹介してやってもいいが自分のもんが取られるのは気に食わん。が、

「まぁ、平気じゃろ」

ブンちゃんだし。

「ブンちゃん。昼休み、その子に会わせてやるぜよ。」
「まじかよぃ、仁王!持つべきものは親友だな!」

お前の親友はジャッカルだけで十分じゃ
それにしても

「ブンちゃん顔キモいなり。まーくん吐きそうじゃ」


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