前々からの疑惑がたった今確信に変わった。


わたしはかわいいたか君(貴志君だからたか君)と絵本を読んでいた。と言ってもたか君はまだ字が読めないのでわたしが読み聞かせをしている。

最中、背後に妖怪の気配を感じたけれど、畜生わたしはそんなものよりたか君との時間の方が普通に大事だ。
ということで妖怪を無視し読み聞かせを続行していた。
しかしたか君の様子がおかしい。
わたしを、正確にはわたしの背後の妖怪を見て震えている。
たか君にも見えているんだ。
そして冒頭に至る、というわけだ。



「葉月…」

未だ震えるたか君の頭をなでる
正直、あの妖怪は雑魚中の雑魚だ。
妖怪本人もわかっているからこそ怖がらせる相手に小さなたか君を選んだのだ。

何もしないのならば無視しておこうと思ったが、たか君を怖がらせるというならこちらも黙っているわけにはいかない。

振り向いて妖怪を見据え、そのまま助走をつけ一気に妖怪をぶん殴った。

ぼがっと大きな音と共に妖怪は吹き飛ばされそのまま逃げて行く。


「さっきのやつはわたしが追い払ったからもう平気だよ!」

振り返り、ぽかんとしているたか君に笑いかける

「…ありがと、葉月」

頬を染めながらはにかむたか君は破壊的な可愛さだった。






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