物心ついたときから"ソレ"はわたしの周りに存在していた。


「お母さん、あの人今日もいるね!」
「どこにいるの?」
「ほら!あそこ!」
「誰もいないわよ?」
「いるよ!あそこだってば!」
「…やめてよ、気持ち悪い」

どこにでもいる"ソレ"が自分にしか見えないと気付いたのはその時だった。
そしてそれが見える自分が異常だという事も


それからずっと、わたしは"ソレ"が見えることを隠し続けてきた。
一度だけ思わず口にしてしまった事はあったが。
(当然その友人は私の元から離れて行った。)

ともかく、わたしはそれから平穏に暮らしていた。
暮らしていたはずだった、今の今まで

「生贄の霊力が高いほど願いをたくさん叶えることができるの。ごめんなさいねぇ…?」

そう言って彼女ー同じクラスの 立石 穂花ーは私の体を屋上から突き落とした。





そうして私の人生は突然終わったのだった。


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