あの後たか君にこってり絞られ(たか君怖かった…)今は侑士の試合中だ。
侑士が打ったボールは全て相手コートへと入って行く。
相手に力がないわけではないが全く歯が立たず、試合は侑士の勝利となった。

「どや、俺の試合は」
「お疲れ侑士!初めて侑士がカッコ良く見えた!」
「ほんと、侑士強いんだね。」

侑士の言葉にわたしとたか君が応えると侑士は初めててなんやねん!、とツッコミながらも嬉しそうに笑った。

「なんやねん、葉月のアホ!俺の時はいなかったくせに侑士の試合は応援するんか!」

侑士の隣に立つ謙也はまだ拗ねているようで葉月のアホー!と叫んでいる。

「お前うるさいねん。葉月だってわざとやない言うとったやろ。」
「せ、せやかて、俺もかっこいいて言われたいねん!」

侑士と謙也の言い合いを聞きながらたか君の方を見ると苦笑しているたか君と目が合った。

「謙也、次の試合は葉月が何処にも行かないように見張っておくから」
「あはは…見張られておくから」

絶対やな!!と叫ぶ謙也に苦笑いしつつ勝ってこい!!と腕を挙げる。

「当たり前やろ!」

行ってくるわー!とコートへと向かう謙也はもういつも通りに戻っていた。




「凄い」

謙也の試合は凄いの一言だった。
何処にボールが来ても難なく返し1ゲームも落とすことなく勝利した。

「葉月!ちゃんと見とったか!?」
「見てた見てた!謙也すごいかっこよかったよ!!」
「お、おん!」

試合が終わったばかりだからか謙也の顔は真っ赤だ。
あんなに走っていたのだから当たり前か。

「なんやお前ヘタレやなー」
「や、やって侑士、葉月が俺の事かっこいいて…!」
「お前言われたい言うとったやん」

こそこそと話している2人にわたしも混ぜてーと話しかけると謙也に嫌や!と言われ泣きそうになった。

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