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アンケでいただいた一般人→毛利→勝家成り代わり。
一応うちの毛利成り代わりで、という指定がありましたがそもそもそれがまだ完結していないのでとりあえず「毛利」を経由して勝家になった夢主です。ここの毛利成り代わりを読まなくても大丈夫です。夢主が死んだのは元親緑ルート。







西海の鬼に企みがばれ、あの馬鹿でかい破槍で胸を貫かれる痛みに思わず呻き声を上げたつもりが、それは突如として赤子の泣き声へと変わった。突然ぼやけた視界と自分の声、それからうっすら見える見知らぬ風景に驚いて泣くことをやめ、しゃくりあげるとふわりと誰かに抱きかかえられた。一瞬の浮遊感と、暖かな体温。

「おやおや、どうしたの?」

知らない名前をよぶ、柔らかい声。泣かないで、と背中を一定のリズムで叩かれて、その優しさに強張っていた体の力が抜ける。あう、と意味のない声を出してその人の着物を握るとくすくすと笑う声がした。

「あなたがもう一度眠るまで、母がついていてあげましょうね」

こんな風に誰かに抱きしめられるのは、何年ぶりだろうかと思った。


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