おれ、犬8


ちっす!おれ、いぬ!きたのほうはとってもさむい!おれは犬だからふかふかだけど、それでもさむい!人間は平気なのかな。

「う~ん、やはり玄米茶はいいねぇ。とても良いものだよ」
「……わふ?」
「うん?」

たったかたったか。走ってるうちにいつのまにかお城に迷い混んじゃったみたいだ!ちょっときつねっぽいかんじのにんげんが、ずずーっとお茶をすすって、それからおれをみてぱちくり。細い目をぱちぱちさせた。

「おや、迷い犬かね」
「わん!」

ちがうよ!おれ、いぬ!のらいぬ!
わん!とひとこえほえてぶんぶん首を降る。もういちどめをぱちぱちさせたにんげんは頭がいいいぬだな、といっておれをなでようとした!なでてくれるのか!おれ、スキンシップだいすき!

「いや、君からは甥の臭いがするな。止めておこう」
「くぅん?」
「いやなに、こちらのはなしだよ」

そういってめを細めたにんげんはだれかに似てた!でもおれ、おもいだせないや…だれだったかな?うーんだめだ、全然思い出せないから、今日はここでおしまい。

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