おれ、犬
こんちは!おれ、いぬ!名前はない!ずっとまえのー、えっと、前世の記憶持ってる!でもおれいぬだからなんか、よくわかんない!でもほかのやつよかあたまいいぜ!人間がしてほしいことわかるぜ!おぅなんでも聞いてくれや!
「三郎」
これ、いまおれがいっしょにいるやつ!名前は真田げんじろうゆきむら!たぶんおれがさぶろうって呼ばれてるの、こいつがげんじろうだからだ!おれあたまいいからそれぐらいはわかる!
「三郎、団子を共に食わぬか?」
「わん!」
こいつうまいものくれる!いい奴!とってもいいやつ!でもたまにくさい!血の匂いがくさい!まぁおれがいま生きてるのむかしだからしょうがないってのは知ってる!だからおれは体の中のかぜのかけらで、ぶわーってげんじろうのくさいの飛ばしちゃうんだ。
「三郎!風のバサラは使うな!」
「ぅわん!」
あんたがくさいのがわるい!と一声吠えてまわりの空気を吹き飛ばす。くさいのなくなったけど、団子が砂まみれになっちゃった!えへ、とわらうおれにげんじろうのこぶしがおちたので、きょうはこれでおーしまい。
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