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BW2の話。私はキョウくんメイちゃんじゃなくてメイくんキョウちゃん派




知りあいのおにいさんから卵をもらった。なんでも洞窟に落ちてたんだって。しばらく親をさがしてみたけれどどうにも見当たらないから、持って帰ってきたんだって。でもお兄さんの手持ちはもうたくさんで、このこを育てられないからって。それで僕に卵をくれた。

「メイお兄さん!本当にこれ、僕が貰っていいの?」
「うん、僕はボックスを使わないから」
「なんで?便利なのに」
「うーん、そうだね。便利だけど、うん。ナマエは、プラズマ団って知ってる?」
「しってる。なんか、ポケモンをいじめるなっていってた人達。みんないじめてなんかないのに」

濡れ衣だよね、と首をかしげるとメイお兄さんはちょっと笑った。うん、名前はポケモンをいじめてなんかいないよと言って僕の頭を撫でてくれた。ならなんで、お兄さんはプラズマ団の名前なんてだしたのかな。

「それが、どうしたの?」
「あ、うん。あのね、プラズマ団はポケモンをいじめるなって言ってただろう」
「・・・うん」
「僕はね、こう思ったんだ。ボックスの中はどうなっているのかなって、預けたままのポケモン達はどうしてるのかなって」
「・・・・・・・」
「多分、そんな酷いことにはなってないと思う。僕は、そのシステムを作った人に出会った事があるけど、彼女はとても良い人だった」

「でもね、もし僕がボックスに預けたポケモンが、さみしい思いをしていたら?僕はプラズマ団の思想をあんまり好いてないけれど、それはとっても嫌なことだよね」

だから、この子をよろしく頼むよ。
囁くように僕にそう言って、メイお兄さんは僕の腕の中の卵を撫でた。まだぴくりとも動かない卵。中で何が眠ってるのか、それは誰にもわからない。


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