ハローが未来を渦巻く乗馬注意警報に耳を澄まして


※この作品は管理人がバサラ3をしっかりプレイする前に書いたものでして、そのため鶴姫ストーリーの一部、それから主人公の精神状態が市の精神状態と酷似している点が見られます。知らぬこととはいえ原作ストーリーの模倣、不愉快に感じる方もいらっしゃるかと思いますので、ご理解いただいた方だけどうぞ先にお進みいただければ幸いです。






ぶつっぶつっと頭のなかにノイズが走る。太陽も登ってないような早朝、朝3時あたりのテレビみたいな砂嵐。ザー、と走る記憶が今日も私の脳みそをかき乱すけどそれでも元気。周りの事はわかるよ。私別に狂ってないよ、気違いじゃないよ。ただTV塔からの電波とそれに付随した記憶がうるさいだけだよ。

「ひ、姫様。夕餉の時間にございます」
「ん、んんー?うー?」

女中さんのその声に、布団からむくりと起き上がってぺたぺたと四つん這い。電波が頭を焼くから中々二足歩行が出来ないの。みだれた着物の隙間から胸がはみ出してるけどどうでもいいわ。それよりお腹が減りました。もう一日も食べてないようなきがする。ばあさんや飯はまだかい。昨日は何を食べたんだっけ?レポーターがおいしそうなステーキを食べていた気がする。大名行列に飛び込んだ男の子になっていたようなきもする。

格子の下から差し出された椀を掴んで口に運ぶ。腕がけいれんするからお箸は使えないの。しょうがないよね、ごめんね。でも、落ちたものは食べたくないわ。だっておちたらガムが蕩けて張り付いてしまうじゃないですか。コンセントみたいに。

「だてくんはげんきにしていますか?」
「は、はい、あの方はとても調子が良いようです」
「大層なお手前で、ああ、お茶碗を割ってはなりません」
「はい、はい、」
「お大事になさってください、貴方一人の体で、そもそもメガネを触ることが間違っているのですから、果汁が割れてしまうでしょう」

女中さんが必死な顔で何かを紙に書き留めていく。炭が滴るちょうちょうでも書いて言うのかしらと手を伸ばして、その手を引っ張る。ひぃと猫が悲鳴を上げた。口には鼠が加えられている、あれ、うごいているのよまだ足が。助けてあげたらいいのに。

「ちょうちょうさんにおててを洗うようにいってください」

誰もいない暗闇でひとり、言の葉を紡ぐ。私が見ているのは出来事。電波に乗った出来五度。180度丸を絵がいて、そこに雨を降らすの。そうしたら草が一杯身をつけて、そこは落とし穴の花畑になるの。だから少しでも口に出さないとお腹がいっぱいになってしまって、太っちゃう。

「あぶないんですよ、お病気ですから」

脳裏には包帯をぐるぐる巻いたさんかくの子。大丈夫よ、写らないわよ。怖くないんだから。タオルで抱きしめてあげましょうね。

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