佐助成り代わり


死んだ→すぐに生まれ変わったとかそんなばなな。しかも生まれた時代が戦国時代で忍者の里とかもっと有り得ない。性別かわったとかマジで糞。なんなのこれ神様からの盛大ないじめ?現代っ子舐めんなよ普通に心折れます嫌です助けてください毎日続く度を超えた忍びの訓練に、もう私のライフポイントはゼロよ!

「がッ……!」

一瞬の隙を突かれ、腹の真ん中を蹴られて止まる呼吸。反転したように痛む内臓、と言うか胃。耐えきれずにせり上がってくる胃液を吐き出せば、オレンジ色の液体が地面に広がった。あ、出血してやがる。

「立て。訓練はまだ終わっていない」
「ぁ、い゛っ!?」
「誰が声を出せと言った。痛みを出すな、声を出すな。耐えろ」

んな無茶な。
訓練、とは程遠い半分虐待のような仕打ちに泣きそうになりながら、また飛んできた腹への蹴りに体を丸めて吐き気と声を耐える。ドメスティックバイオレンスだ、児童虐待だ。もう嫌だ。

「なんだその目は」
「………」
「俺はな、別にお前を殺したっていいんだ。忌み子なんざ普通生まれた途端に絞められるような存在だからな。それを態々拾ってやったんだ、感謝しろ」
「…………」
「それに、お前死にたくないだろ?」

ああそうさ、死にたくないさ。一回死んだ事がある私は、とにかく自分の死と言うものにおびえている。こいつはそれを何故かわかってる。わかった上で、私が許容できるぎりぎりの範囲まで痛め付けて、諦めそうになるといつも死をちらつかせて、本当に性格悪い!

「返事は」
「はい゛……」
「ひどい声だな」

こいついつか、絶対。絶対に殺してやる。


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