1 「男なのに、ケツの穴拡げられて期待しちゃうなんて」 ※鬼畜坂田の器具責め、言葉責め/流血あり はーっ、はあっ、 お互いの荒い息の音しかしない。 土方は抵抗をやめたし、俺は土方を押さえつけるのをやめない。やめるつもりはない。 もう服は剥ぎとった。それでもこの男は何かを纏っている気がしてならない。 内側からめくってやらないと、こいつは素を晒したりしないのだ。 肛門に指を入れて掻き回すと、こいつは悔しそうに唇を噛む。 いい気味だ。 内側が見えるほどに拡げて舌を差し込んでやると、内股がひくっ、と引き攣る。 「なに、かんじてんの?」 聞いても答えがないのも知ってる。 そして、言葉はなくとも、身体は応えることも。 「誤魔化してるつもりかよ。こんな勃起させてよ」 目の前には堅く立ち上がった逸物。抑え切れない体液は、そこからとろとろ溢れ出し、見苦しく股間を汚している。 それでもこの男は声も上げようとしない。 どんなに貶めても、辱しめても、この男の真っ直ぐさを折り曲げることができない。 「今日は、さ、ちょっと遊んでやんよ」 聞いてはくれないに決まっている躯に声を投げかけ、その肌から答えを引き摺り出してやる。 体内に器具を差し込む。 顔を見れば唇をきつく噛んでいて、閉じた目蓋に細い血管が浮き出ていた。 その顔を見ながら、ハンドルを思い切り握った。 「――ッ……!?」 「ははっ、驚いた?」 目を見開いた土方のビビりようが笑える。 「おキレイな面してるテメーの、ハッズカシイ中身見てやろうと思ってさ。さてご開帳ー」 「ぁ……っ!!」 「おっと、切れちまった? 大丈夫だろ少しぐらい」 クスコで拡げた土方の内側は、いやらしくうねうねと蠢いていた。 「へえ。男のケツん中なんて初めて見たわ。気色わりーなやっぱ」 「……!」 「でも拡げたの俺だもんな。悪ィ悪ィ、責任取ってちゃんと見ててやるよ」 土方の物を握る。動揺したんだろう、全身がぶるっと震えた。 「期待しちゃってんの?」 「……、」 「やらしい奴。男なのに、ケツの穴拡げられて期待しちゃうなんて」 「……!」 「淫乱。マゾっ気も、あるよな」 「……っ!」 「はっずかしい。俺なら耐えらんねーわ」 土方の体内が大きくうねる。ライトをつければ、陰影がくっきり浮き出てさらに淫靡だ。 「女みてえ。気持ち悪ィ」 土方が身じろぐ。 「安心しろよ。気持ち悪ィけど最後までしてやるよ。ほらイけよ」 「……!! ーーっ、ーーーッ!」 「うわー中、すげーコトんなってんぞ。近藤とか沖田に見せてやりてえわ」 「ーー!? ッ、……、ーーーハッ」 「ホント救いようのねえマゾだな。見られるとこ想像してイッちまうなんざ」 「……」 「じゃあ、大好きな近藤さんに見られるトコ考えながらヤられちまおうか。脚開け」 ぼうっとしてるのは余韻だろう。何か言いたげな顔してるのは、近藤への懺悔か。 そらそうだ。元攘夷浪士に、性的な暴力を受けてるんだから。 しかも日常的に。 すっかり俺の形を覚えた穴は、招き入れるように蠢いている。 容赦なく俺の分身を沈めた。気持ちよくしてやる気もない。なるはずもない。 この俺と、セックスを、 しかも強要されてるんだから。 「ちゃんと締めろよ。緩い」 「……」 「穴がユルユルなんだっつってんの。聞こえた?」 きゅう、と締め付ける、そこ。 ほんとは緩くなんかない。キツいくらいだ。 土方の顔を盗み見ると、一生懸命力を入れてた。 バカだろ、こいつ。 いきなり激しく奥を突いた。腰を持ち上げて、挿入部分を土方に見せつけた。 「見ろよ土方、テメーのカラダに男のちんこが、ずっぽり、ハマってんぜ」 「……っ、……ッ」 「鬼の副長はッ、実は肉便器だった、なんてッ、真選組に知られたらッ、ヤバイんじゃねーの、」 「……!! ……、」 「それともッ、夜な夜な咥えてんの」 「! 〜〜〜!!」 「中に出すぞ」 「ッ!?」 土方の尻穴から、白い粘液が垂れるのを醒めた気持ちで見た。気がつくと土方の腹も、精液で汚れていた。 「なにテメー、ケツん中でイッたの?」 「……っ、」 「ひくわ。信じらんねえ」 「ひいてろ」 初めて土方が口を利いた。 「帰れよ。用は済んだだろ」 ノロノロと体を起こし、風呂場へ向かおうとする 「は? 今日は終わっただけだろ」 「なんでもいい。消えろ」 テメーの面なんざ見たくねえんだよ。 当然だ。 それが当たり前だ。 俺はホテルを出た。あいつはひとりで後処理をして、金払って明け方まで眠るんだろう。 あれだけ汚しても あの男に届いた気がしない。 「もう、やめっかな」 独り言は夜の空に虚しく跳ね返るばかり。 章一覧へ TOPへ |