7 「男娼なんてこんな扱いだって、おまえ知らなかったのか?」 ※小スカ、異物責め、流血あり。 土方が入院した。 笑えることに、病院に連れて行ったのは俺だった。 そして、真選組から隠すように付き添っているのも俺だ。 近藤には適当に過労だとか言って誤魔化した。ジミーが一度、身の回りの物を届けに来たときは気まずかった。そそくさと帰っていくあの子の後ろ姿を、ただ目で追うことしかできなかった。 あの、翌日。 俺は宣言どおり、土方が身を売るところを見物に行った。 売る、のは間違いか。 本当に土方は金を払って服を脱ぎ、裸体どころか躯の奥まで進んでめくって見せた。 両手の人差し指を淫穴に差し込み、ぱっくりと割って見せる。 これは定番らしく、男たちは当然のように懐中電灯を取りだし、中を照らしてじっくりと検分した。 「ずいぶんヒビ割れてんなぁ。こんなの聞いてねーぞ」 「……え、」 「あと一本上乗せか、キワモノもやるか。どっちか選べよ」 「抱いて、くれるんだな」 「あー、いいぜ。金くれんならな」 「金も払う……、なんでもするっ、」 「っは、イカれてやがる」 男たちは追加料金を受けとると、土方を路上に引き倒した。 そしてそれぞれに陰茎を取り出し、おもむろに土方に小便を掛け始めた。 顔にふた筋、土方の陰茎にひと筋、そして広げっぱなしの尻穴にひと筋。 みるみる黒髪が濡れて、額に貼り付いた。 尻の穴ははくはくと開閉を繰り返し、小便を飲もうとしているようにも見えた。 顔に掛けていた奴が、口を開けるよう命じた。 仰向けになった蛙のように脚をいっぱいいっぱいに拡げた姿で、土方は必死で口を開ける。 「全部飲まないと、今日は終わりだ」 そのひと言で、哀れな土方は懸命に口を開け、舌を伸ばした。 勢いよく喉に注がれる排泄物。だが飲まないと抱いてもらえないと思い込んでいる土方は必死だ。えづき、噎せながら飲み下している。ときどき逆流して嘔吐しそうなのは、見てて明らかなのに。 次は全員を口淫。 どこのAVだ。ベタすぎんだろ。 全員の顔射が終わらないと、土方には触ってやらないってルール。 土方は顔中ベトベトにして四人目を顔射に導いた。もういいだろ、とばかりに口を離そうとすると、四人目の男が後ろ髪を掴み、ガツガツ腰を振り始めた。 ああ、いわゆるイラマチオってやつ。俺もやったし。苦しそうなのがたまんねーんだよな。 喉を強制的に刺激されて、ぐえ、とかぐぼ、とか変な音がした。 その隙に、股に小便男が土方の尻穴をよくよく検分した。 「てめー病気とか持ってねえだろうな。そっちからねだって来たんだからテメーの金で性病とか調べてるよな、当然」 土方は首を振った。 「アンタさ、派手に男漁りしてんだろ? 俺はこっちの不潔な穴は遠慮しとくわ、代わりにフェラ二回な」 そして土方には、穴を使って自慰しろと命じた。 どうやら土方はまだ、ひとりで肛門に指を入れ、さらに動かすのが上手くない。 穴を拡げるばかりで奥に入らない。 もたつくことに焦れた男は、いきなり異物を突き入れた。 それは、刃物だった。 鞘こそ抜いていなかったけれど。 出血、苦悶にのたうちまわる土方、嘲笑う男たち。 男娼なんてこんな扱いだって、おまえ知らなかったのか? 男たちを掻き分けて俺は土方を引っ張り出した。 タクシーに乗せ、知り合いの裏医者に駆け込むまで、土方は意識こそ失わなかった。けれど、その眩しいほどの誇りも、武士の矜持も、揺るがない視線も、 すべて土方は失くしてしまった。 ただ、身体を汚されて怯えた男が、ぼんやり宙を見つめているだけだった。 章一覧へ TOPへ |