遊
「ゲームしようぜ!」
「は?」
結局彼の「やってほしいこと」とは、これだった。
祢本さんの家に入るや否や、これ。
「…………何でゲーム?」
「いや、だって暑いじゃーーん!」
と、祖月氏。
確かに暑い。
だから室内でゲームしようというのも、田舎の町とはいえ現代人らしい。
「何?お前ゲーム苦手なの?やったことないとか?」
「いや、そんなことは…」
無いけど。
思えばアリアがゲームが大好きで、よく一緒にやらされていた気がする。
ちなみに彼女は練習している割に強くはない。
「おい、大河、それ俺のだぞ勝手に漁るなよ」
彼は容赦なく人の家の棚を漁っていた。
見ていて清々しいくらいの漁りっぷり。
「よし決めた!これやろーぜ!…ん?何かお前の部屋汚くね?」
「…お前な…」
見ていて面白い二人だ。
まぁ、そのあとは言わずもがなというか、ゲームに没頭していた。
何度もアリアとやっているゲームも多かった為、二人に置いていかれるということもなく。
最初はぎこちなかった祖月氏と私だったが
やっているうちに段々慣れたというか。容赦がなくなってきたというか。
夜の7時頃になって、彼が腹減った、帰ると言い出した。
正直、私も腕が疲れていた。千切れそう。
そういうわけで必然的に私も彼の家に戻ることになり。
祢本さんに見送られて、彼の家に戻り、
その家族と少し会話をして、お風呂を借りたり、部屋でくつろいでるうちに夜の9時。
そろそろアリアに電話しようかな、なんて考えていた時だった。
彼が突然部屋に入ってきた。
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