第6話:人はみな生まれた時は猿




「お疲れ様。はい、どうぞ」
「……あの、これ何ですか」
「酢昆布よ」
「すこんぶ」


疲れた時にはすっぱいものが一番だから、とふわりと笑いながら彼女が私に小さな赤い箱を渡してくる。いつもの私なら知らない人からなんて絶対に受け取ることはしないけど、状況が状況だったので素直に受け取ってしまった。つーか、なんで酢昆布なんて持ってんの。

そんな私の疑問が顔に出ていたのか「私の実家の二階に住んでる居候の女の子が酢昆布大好きで、いつでもあげれるように常備してるの」と彼女は答えた。


「(どうしてこんなことになったんだっけ…)」


目の前に座敷牢に入れられた猿共……ならぬ、頭から足の先まで全身血塗れフルボッコにされ座敷牢の中にテトリスの如く押し込められた村の住民を眺めながら、これまでの経緯を思い出す。







******






「これはなんですか?」


今回の任務は地図にも載っていないような小さなとある村で神隠し、変死が起きた原因と思われる呪霊の祓徐。

そして、私は現場に着いてすぐに呪霊は祓った。だというのに、村の住民は今まさに目の前にあるものが一連の事件の原因と言い張っていた。それは、


「(ただの、子供じゃないか)」


それは、座敷牢に閉じ込められた二人の少女だった。

同じくらいの年、容姿をしていることから双子だと確認できた。だが、愛らしい見た目とは裏腹に顔や身体に至る所に殴られた跡があった。恐らく、虐待を受けていたのだろう。

親指で額をかきながら冷静に目の前で怯えている少女達を分析して、冒頭の質問をすると後ろにいた住民が何かを語り出した。でも、正直、何を言っているのか分からなかった。

すると、座敷牢の中にいる片方の少女が住民の語っていることに反論した。が、それよりも先に住民が「■■■!!(黙りなさい化け物め)」と叫び、黙らせる。


その瞬間、ぷつりと何かの糸が切れた音がした。



「(―――ああ、この猿共を殺そう)」



私は気付いてしまった。この猿共に何も価値がないということに。

何が呪術は弱者ひじゅつしを守るためにあるだ。何が強者じゅつしとしての責任を果たせだ。現に非術師コイツらを守ったことで何が得られた。失ったものばかりじゃないか。

これまでの自分が抱いていた信念と、この残酷で冷酷で無慈悲な現実に、心底嫌気が差した。


「皆さん、一旦外に出ましょうか」


そして、私は取り込んだ呪霊達を使って未だ喚き騒いでいる目の前の猿共を、






******






「(―――猿共を、殺した)」


……はずだったんだが、気付いた時には私は猿共を殺さずに全身血塗れフルボッコにして、少女達のいた座敷牢の中に無理やり押し込むテトリスをこの温厚で優しそうな彼女としていた。何で?

数時間前に行おうとしていた自分の行動と今の状況を振り返りながら、彼女から貰った酢昆布を口に入れると、


「ぐふッ!?!?!?!??!?!?」


口の中で爆発が起きた。


え?ちょ、は?ナニコレすっぱ!?夜蛾先生の脇よりすっぱ!?え、初めて食べたから知らなかったけど酢昆布ってこんなすっぱいの!?クエン酸そのまま舌に乗せられた方がまだマシじゃないのかコレ!?馴染みの駄菓子屋で見かけたことはあったけどこんな劇物よく平気で売ってたな!?

舌が未知との遭遇をしてしまったせいで悶絶していると、私の隣にいた少女達にも渡していたようで同じく悶絶していた。まさかやったんか。この劇物を幼気な少女達にやったんか。

あまりの非道に悶絶している少女達を抱き寄せ、なんてものを食べさせたんだと訴えると、


「本人曰く、そのすっぱさがクセになるんですって。きっとその先生の脇もそのうちクセになるわ」


と彼女は先ほどのようにふわりと笑っていた。この人は鬼か何かか?悶絶している私達が目に入っていないのか?どういう神経してんの?どこでどう育てられたらそんな風になんの?あれか。地獄で鬼にでも育てられたのか。


「(そもそも、この人は一体何者だ)」


あの時、私が呪霊達を使い、猿共を殺そうとした瞬間、


「すみませ〜ん、天下一ストレス武道会はここであってますか〜?」


という言葉と共に、彼女は突然現れた。


「(……今考えるとあの状況でよくあんな台詞が言えたな)」


仮にも私が猿を殺そうとしていた現場にだよ?ごっめ〜ん!遅れてきちゃったテヘペロみたいなノリで現れたけど、ここはただのクソな村ですが?何一つあってないよ?つーか、天下一ストレス武道会って何?どこをどう見たらそんな大会に見えたの?あれ?私は呪術師じゃなくてサイヤ人だった?

そんな勘違いを起こしてしまうくらい場違いな登場に、その場が何とも言えない微妙な空気が漂ったのを感じ取った。しかし、その空気を作り出した彼女は気付いておらず、呪霊を操る私を見るなり目を見開いた。


「まあ、もしかして貴方、スタンド使いなの?うわあ、私スタンド持ってないんだけど勝てるかしら…」


いや違う。これスタンドじゃない。これ呪霊。何がどうしてそんな解釈になった?あれか?私が呪霊を操っていたからか?それでスタンド使いと勘違いしたのか?……いやどう考えても理解できないんだが?あと、勝てるとか勝てないとかそんな話じゃないから。そもそもここは天下一ストレス武道会なんて開催してないから。

更なる爆弾発言を繰り広げた彼女に、思わず足が崩れそうになった。ちょっと待て私。踏ん張れ私。忘れるな私。非術師は無能で無価値。その信念を抱き、これから私はこの猿共を殺すんだろう。そして、術師だけの世界を作るんだろう。

だが、突然現れた彼女は私の信念とこの村で起きた事情を何も知らないわけで。だから、私は術師か非術師かも分からない彼女にこれまでの事情と私の信念を丁寧に分かりやすく説明した。


非術師コイツらは猿だ」


全ての話が終わり、最後に吐き捨てた私の言葉を無言で聞いていた彼女は、


「猿?何当たり前のこと言ってるの。人はみんな生まれた時は猿よ。稀にゴリラもいるらしいけど」


いやだから違う。私が言ってるのそういう意味じゃない。ねえ、人の話聞いてた?ここは何の罪もない少女達を虐待していたクソな村なの。そもそも非術師は守るに値しない猿なの。この猿のせいで術師なかまが死んでるのかと思うと反吐が出るの。だから殺すの。そんでもって非術師のいない世界を作るの。

もうすでに私の片足は地面についていたが気を取り直して、もう一度分かりやすく端的に彼女に告げると、


「いや、術師だか非術師だか知らないけど、どっちも人じゃない」


そんなことも知らないの?みたいな口調で反論され、さらに、


「というか、アンタ自分にスタンド能力があるからって調子ぶっこいてんじゃないわよ。じゃあ、アンタに江戸時代のような自給自足が出来るの?生まれた時から常に周りに発明された便利なものがあったアンタに出来るの?ねえ知ってる?電気もない夜道の暗さを。ガスコンロも冷蔵庫もない台所で料理する大変さを。給湯器もない風呂を沸かす難しさを。冷房も暖房もない部屋で寒さと暑さの凌ぎ方を。それを踏まえた上で自給自足が出来るの?何の知識もないアンタが?ハッ、笑わせんじゃないわよ。出来るわけないじゃない。そうやって出来もしない事をとやかく言う権利アンタにもないでしょーが。それとも何?その術師ってのがそんなに偉いの?ふざけんな。何もない不自由な時代に生まれ、今の私達の生活を支えてくれるようなものを発明した人の方が偉いでしょーが。大体ね、なに悟り開いたかのような厨二病みたいな台詞吐いてるのよ。あ、もしかしてそういうお年頃だった?え、まさかその変な前髪もそういう設定なの?うっわ、いい加減現実を見なさいよ。そもそも最近の若い子は、」


そのまま永遠と論破され続けた。

そして、私の足と心が崩れ落ちた。

その際に殺し損ねて周りにいた一匹の猿が「■■■…(うっわひでえ…)」と呟き、私のことを哀れな目で見ていた。やめろ。そんな目で私を見るんじゃない。殺すぞ。


「でもまあ、貴方の言い分も分からなくもないわ」
「……え?」


一瞬、何を言われたのか理解できなかった。気のせいかな?散々論破してきた彼女に共感された気がしたんだが?

しかし、急に共感されたことに理解が追い付かず混乱している私を他所に、目の前の彼女はラジオ体操第一を始めた。なんで?


「いい?前髪少年、人っていうはね、」


生まれた時から傲慢で怠惰で強欲。そして、愚かで臆病で残忍。

それに、何度同じ過ちをくり返したら気が済むのってぐらいくり返す学びのない低脳でバカな生き物なの。


「でも、人は己の足で前に進む生き物でもある」


たとえそれが先の見えない道だろうと、たとえそれがどんなに複雑で困難な道であろうと己の足で真っ直ぐ進む。

ただね、さっきも言ったように人はバカなの。真っ直ぐ進んでいたと思ったら、いつの間にか道を間違えてしまうなんてしょっちゅう。そうやって人は過ちを犯す。

でも、そんな時、進んでいる道が間違っていると教えてくれる人がいれば、どんなバカだろうと猿だろうとまた元の真っ直ぐな道を進むことができるはず。

だから、目の前に進んでいる道を間違っている人がいれば、


「教えてあげるのが人情ひとってものよ」


そう言い切った彼女はラジオ体操第一の最後の種目である深呼吸を終え、腰に差していた年季の入った十手を手にすると、



―――ドゴォォオン!!!!



何かが私の横を通り抜け、背後にあった家屋に凄まじい音を立てて突っ込んだ。一瞬の出来事で何が起こったのか分からなかった。恐る恐る後ろを振り向き、家屋に突っ込まれたものを確認した。激しい砂埃でなかなか見えなかったがようやく晴れると、そこにいたのは、


顔の原型が歪みに歪みまくり血塗れの一匹の猿だった。


「さあ、前髪少年。準備はできたかしら?」


まるで悪人面のような笑みで唖然とする私に声を掛けてくる彼女は、お世辞にも善人とは言えなかった。けれども、その言葉は消沈していた私を奮い立たせるには十分だった。

そうして天下一ストレス武道会は開幕したのだった。


「(結局、私は術式を使わずに自分の拳で猿を殴った)」


数時間も100匹ぐらいの猿を殴り続けたので流石に拳が痛かった。でも、彼女のおかげでこれまでの猿に対しての鬱憤やストレスは発散できたし、何かが吹っ切れた。

だけど、コレ高専……というか先生に何て報告したらいいんだろう。とりあえず、拳骨どころじゃ済まされないことだけは分かる。そして、同級生と親友に笑われるやつだ。


「(あーあ、やってしまったなー)」


なんて心の中で呟いたが、後先考えずに動いてしまったことに後悔するどころか、実は清々しかったりする。ここまで自分の欲のために動いたのは生まれて初めてじゃないだろうか。

そんな今まで味わうことの出来なかった心地良さを噛み締めていると、隣で少女達の怪我の応急処置をしていた彼女が口を開いた。


「前髪少年。貴方、ちゃんと友達いる?」
「え」


突然の質問に思わず硬直した。

え、今この人何て言った?友達がいる?急にどうした?なんでそんな質問をしてきた?……あれか、私の衝動的な行動と発言に厨二病というレッテルが消えてないから友達のいない痛い奴と思われてるのか。うん、絶対それだ。


「居ますよ。親友が一人」
「え、いたの」


やっぱりこの人、私のこと友達いない痛い奴って思ってたな。この人と出会ってまだ数時間だが何となくだがこの人の思考回路が分かってきた気がする。一つ言えることはこの人は術師並み…いや、それ以上に頭がイカれてるってことかな。

すると、私の生暖かい視線に気付いた彼女が「今なんか私に対して失礼なこと考えなかった?」と言ってきたので、「気のせいですよ」と誤魔化した。あっぶね。バレてたら絶対私の頭十手で殴られてたなコレ。

そんなことを思いながら、ふと、先ほど自分が彼女に返した言葉に疑問を抱いた。


「(……親友か、)」


頭の中で、真っ白な髪に黒いサングラスをした親友を思い出す。

かつては二人で『最強』と言われていた私達だったが、ある任務をきっかけに親友は一人で『最強』になった。

別に親友自身が変わったわけではなかった。親友の力が変わってしまっただけだ。だというのに、術師というマラソンゲームで私は一人だけ置いていかれた気がした。

いつからだろう。私が親友に対して嫉妬と劣等感を抱いてしまっていたのは。


「つまり、少年はその親友にスタンドマラソン大会で置いてけぼりにされて悔しくて寂しいと」
「え、いや、その表現はちょっと…」


気付けば、私は親友への悩みを彼女に話していたらしい。あと強ち彼女の言葉は間違ってはいないが、その表現は色々と誤解を招きそうなのでやめてほしい。それとスタンドマラソン大会って何だ。そんな愉快なマラソン大会あってたまるか。

すると、私の悩みを聞き、目を閉じて少し考え込んでいた彼女の目を開いた。その目は真剣そのもので、思わず私はその目に引き込まれる。


「よし!前髪少年、その親友と腸見えるぐらい腹割って拳で語り合いなさい」


いや何がよし!だ。何もよくねぇよ。つーか腸見えるぐらい腹割って拳で語るって何?それもうただの殺人事件じゃねーか。しかも、なんて名案なんだ!みたいな顔すんな。前言撤回だ。私にはこの人の思考回路は一生分からん。

キャラ崩壊を起こすまで心を乱した私を他所に、彼女は言葉を続けた。


「というか、話聞いてるとアンタ達お互いを相棒と呼び合ってる間柄なのに、肝心なところは何も話し合えてないのよ。あと、相棒に嫌われたくなくて逆に頼れなくなってるの。だから今回、アンタは厨二病を発症したんでしょーが」
「いや発症させてません」
「とりあえず、アンタは今まで溜まってた不満やら鬱憤やらをその親友に向けて吐き出しちゃいなさい。そんで、スタンドを一切使わずに拳で語り合いなさい」
「いい加減人の話聞いてくれません?」


はい、これにて前髪少年のお悩み相談は終わり!とあっさり私のお悩み相談室を強制終了した。人の悩みをそんな雑な扱いってあんまりじゃないか?あと、ずっと言いたかったんですけどいい加減その前髪少年って呼ぶのやめてくれません?恥ずかしいんですよ。

彼女に対して思わず不満げな表情を向けると、彼女はため息をつくと人差し指を私の額にトンっと押し付けてきた。


「大体、アンタは色々と考えすぎなの。アンタが嫌ってる非術師だっけ?別に嫌いなら嫌いでいいじゃない。そもそも人類みな仲良しこよししてたら戦争なんて起きないわよ。まあ、別に考えるのをやめろとは言わないわ。ただ、意味もないことを考え過ぎるとその前髪どころか全部ハゲるわよ」
「え」


今なんか凄い良いこと話してたと思うんだけど、最後にとんでもない発言が聞こえた気がするけど気のせいだよね?え、やっぱり全部髪まとめるのって頭皮に負担がかかってたりする?もしかしてハーフアップの方が良かったりする?

すると、将来の毛根の心配をしている私を気にすることなく、彼女は私の頭を撫でてきた。というか、それはもうムツゴロウさんの如く撫で回してきた。ちょ、髪型が崩れ、あ、


「あと、問題なのはアンタがこれからどうしたいかよ」
「どう、したいか?」
「スタンド使いとして、アンタはこれから何を護っていくかってこと」


彼女の質問に、私は息を呑んだ。


「……私は、」


術師なかまをぞんざいに扱う猿が嫌いだ。でも、猿の中にも目の前の彼女のような人情がある奴もいるかもしれない。もし、そんな奴らが現れたら、私は、


そこまで考えた時、もう答えは出たも当然だった。何だか、これまで悩み過ぎていたのが馬鹿らしくなった。


「(……ああ、なんだ。簡単なことじゃないか)」


そして、真っ直ぐこちらを見る彼女の目を見て、



「―――私の護りたいものを護りたい」



私の答えを聞き届けた彼女は、悪人面のように満足げな表情で微笑んだ。ホントこの人、見た目はすごくいいのに中身がアレだな。残念な美人ってこうゆう人のことを言うんだろうな。

すると、私の心の中で思ったことがバレたのか読んだのか彼女は十手で私を殴ってきた。やっぱりこの人、残念な美人だよ。普通の美人は190もある男を十手一振りで吹き飛ばせるわけないもん。

そして、殴られた勢いで壁を突き破って戻ってきた私をまたしても無視して、「さてと、ちょっと長居し過ぎちゃったかしら」と彼女は少女達の頭を撫でながら呟いた。

その言葉を聞いた少女達は、離れたくないと彼女の袴にしがみつく。その様子を見た彼女は少女達の目線に合わせて屈むと、少女達に向けて魔法の言葉を口にした。


「いい?女は度胸よ」
「おんなは、」
「どきょう?」
「そう。これから貴方達に様々な苦労や困難が待ち構えているかもしれない。でも、そこで道を間違えちゃいけないわ。そういう時こそ、度胸で乗り越えるのよ」


今にも泣き出しそうな表情で少女達は彼女の言葉をしっかりと受け止めたようで、二人で一緒に頷いていた。その拍子に目からボロボロと涙がこぼれ落ちる。

そして、彼女は少女達の涙を拭き取ると、最後に私に向かって、



「じゃあ、地球ふるさと救うために帰るわね」



と、まるで烏が鳴いたから家に帰るとでも言うように、そう言い残して、消えた。







******







「ちょっと悟君、いい加減離れなさい。話しづらいでしょーが」
「やだ」
「やだってアンタ……、いい年した大人がそんなこと言うんじゃありません」


そんな彼女が今、呪術界最強であり私の親友でもある五条悟に抱きつかれている。


「(まさか、私の恩人が、悟の世話係だったとはね……)」


なんかすっごい納得させられた。うん、悟がここまで下品理不尽極まりない性格になったのも仕方がない。この世話係おやにしてこの最強ありだわ。すっごい納得。

思わず遠い目をしていると、隣にいた硝子に「また死んだ魚のような目になってるぞ」と言われた。うるさい。こちとら好きでなってるんじゃないんだ。


「(……でも、彼女には感謝している)」


一度は道を踏み外しかけた。だが、今こうして己の足で前に進むことができている。真っ直ぐかどうかは分からない。それでも、術師として、私の護りたいものを護りながら生きている。


「(まあ、あれから悟と腸見えるぐらい腹割って拳で語り合ってとんでもないことになったけど、)」


その話は割愛するとしよう。さて、何も気付いていない彼女にあの時の厨二病坊主がここまで大きくなったことを伝えるとするか。

未だ悟の拘束に手こずっている彼女に私は近付き、あの日からずっと気になっていたことを質問する。


「無事に地球ふるさとは救えましたか?」


すると、突然の私の質問に彼女はキョトンとした様子だったが、すぐに質問の意図が読めたのか彼女は、



「ええ、もちろん。ちょっと寿命を削ったけど、無事に救えたわ」



あの日のような、悪人面のように満足げな表情で微笑んだ。








******







☆悩み過ぎて厨二病を発症した前髪
虐待されてた双子の少女達を見て今までの猿に対しての鬱憤が爆発した。
でも、スナック嬢が現れてそれどころじゃなくなった。
そして、見事にメンタルを破壊された。
あと、ようやく好き嫌いを覚えた。
実はスナック嬢のことが気になってたりしてたり。



☆またしても名前が消えたスナック嬢
元の世界で地球救うために奮闘していたら、地上から謎の光の柱が現れ仲間と一緒に崩れ落ちて気を失う。
そして、気付いたら天下一ストレス武道会に参加していた。
なんか心を病んでた厨二病の少年と傷だらけの双子がいたから喝を入れた。
あれ?もしかしてあの時の前髪少年?



☆話の展開についていけなかったGLG
わーいスナック嬢とこれから一緒にいられ…え?何で親友がスナック嬢のこと知ってるの?
ちょ、オマエら知り合いなの?何それ。聞いてないよ。
ていうか、地球救うって何?寿命削ったって何?
情報量が追いつかなくてセルフ無量空処になる。








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