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編入

 佐倉さんの編入が本格的に決まったようだ


 パートナーは日向君

 これで、私は晴れて日向君のパートナーからお役御免に


 大したことはしないのだから、何が変わるわけでもないのだけれど・・



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 「アリス学園には能力別授業っていうのがあって、能力のタイプを4つに分けて能力の開発向上を目指します☆


 棗君や飛田君、心読み君なんかは潜在能力系、今井さんや野々子ちゃん、アンナちゃんは技術系、ルカ君や正田さんは体質系、名前ちゃんは特別能力系に当たります


 ちなみに、蜜柑ちゃんも名前ちゃんと同じ特別能力系に入ることになります☆」



 ナルの話をぽかんと口を開けたまま、聞いている蜜柑



 「そこで、一定以上の能力の習得が達成されると、学外へ研修という形で実習へ行くこともあるんだよ


  皆は任務って呼んでるみたいだね☆」


 「に、任務って、た、例えばどんなことするんですか」


 
 蜜柑は期待に胸を膨らませ、キラキラした瞳で先生を見つめている



 任務とは所詮、アリスの名を世間に売りつけるための無償の学園の仕事であることに、純粋な少女は思い至らない




 「それは、個々の能力によって違うよ☆

  例えば、発明のアリスを持つ子は、どこかの企業との共同研究チームに参加してもらったり、幻覚のアリスを持つ子は舞台なんかの裏方として協力してもらうことになるよ」




 「蛍と委員長も任務っていうのに言ったことあるんか?」


 「私は1度だけABC企業のロボット開発チームに参加したことがあるわ」



 「ぼ、ぼくはまだ1度もないよ」


 そういって小さく照れたように笑う委員長は男の子とは思えないほど、可愛らしい



 「任務への参加はその子自身の能力の高さだけじゃなくて、その持っているアリスの希少さも関係してくるからね☆」



 「???」


 頭に?をたくさん飛ばす蜜柑の表情は面白いほどに正直だ

 

 「つまり、いくら能力が高くても中等部や高等部に同じ能力でさらに能力値の高い人がたくさんいれば、任務には出なくていいってこと


  逆に多少能力値が低くても、中等部や高等部に代わりに任務をこなせる人がいなければ駆り出されることもあるわ」



 「な、なるほど〜」




 本当に分かったのかと問いたくなるような顔で蜜柑は頷いている



***
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 初めて向かう特別能力クラスに少し緊張する蜜柑

 名前に一緒に連れて行ってもらおうと考えていたのに、すでに教室に名前の姿はなかった


 
 教室に向かう途中で出会った安藤翼という少年に連れられて、なんとか教室へたどり着くことができた

 
 思わぬ歓迎ムードに心躍らせる


 ふと、教室を見渡す

 名前の姿がない


 「翼先輩」


 「ん?なんだ?」


 「特力系にうちのクラスの苗字名前って子がおるって鳴海先生が言うとったんやけど・・・」



 「あー・・いるけど、たぶん来ねえよ
 
  うちのクラスの担当教諭ののだっちは、タイムトリッパーでめったに帰ってこないんだよなー


  そのせいか、あいつほとんどクラスに来ねえんだよ」


 驚愕の表情を見せる蜜柑に翼も思わず苦笑い


 「そうだ!蜜柑!お前、名前と同じクラスなんだから、今度から授業来るとき無理やり引っ張って来いよ

 クラスのみんなも会いたがってるしよ!」


 それをニヤニヤ顔で見つめる特力クラス一同


 『お前が会いたいだけだろぉ』

 
 真っ赤になった翼を一気にからかうムードへ





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