■ 第十四爪




俺は零龍!

年?聞くなよ野暮だな。

性別?聞くなよ野暮だな。

出身?異世界。

今の所在地?聞くなよ頼むから。

自己紹介になってないな。

うるせぇぇぇ!ってか人の思考に入ってくんな!



誰だこの人。14
〜さてさて、一件落着どうしようか〜



とりあえずいつまでもここに居る訳にはいかないと言う事で政宗とこじゅは帰るらしい。

…まぁそうだよね…あの人達が凄いやきもきしてそう。

帰ったらひっとぉぉぉ!の嵐なのかもしれないお疲れさん。

そうこうしているといつの間にか門の前。

と言う訳でお別れの時間である。

俺がしんみり?する筈もなっし。

どっかーんと一発、行こうじゃないか。



「世話になったな」

「全くだ」

「全くだとか言ってるけど原因お前だからな」

「………」

「零龍、ソイツの所がいやになったら俺らの所にいつでも来いよ」

「うん、今から行くわ」

「…really?」



かなり驚いている。

何故だ。



「うん、冗談。後ろのオッサン…ゲホン、人が爆発起こしそうだから遠慮しとく」



オッサンって言ったらすっげぇ殺気きた。

気にしてんのか…。



「ま、家出程度ならいつでも来いよ」

「家出程度で行ける距離じゃねーだろ」

「それでこそ家出だろ」

「…そうなのかもしれない」

「かも、じゃねーよそうなんだよ」

「はいはい、早く帰んねーと家臣がやかましーでしょ」

「…そうだな、帰るぞ小十郎」

「はっ」



と言って馬に跨るのかと思えばいきなりこっち向いた。

で、耳元で

「じゃあな、honey

そーかそーか、分かったぞ。

お前アレか、アレ希望なんだな。



「そう言う事か。前言撤回今すぐここで死んで行け」

「落ち着け零龍」

「…私も意味は分かりかねるが些か見過ごせんな」

「テメェも落ち着け!」

「jokeが通じねぇな」

「アンタが言うと冗談に聞こえねーんだよ」

「そう怒るなよ」



と言って馬に跨る。

するとこっちに来いと言いたいのだろう、指をクイクイと上下に動かした。

そこまで鬼じゃないから素直に行く。

すると少し体を俺に向かって倒し(?)た。



「悪いな。Honeyってのは、jokeにするつもりはねぇぜ」

「は」



チュ(表し方が他に無い)


プツッ(松永がキレたらしい)



「独眼竜、竜の爪とその命置いていって貰いたいのだが、いいかね?」



わぁーお…見事なまでの怒りオーラ…。

ゴゴゴゴゴって聞こえるよ松永…。

って落ち着けお前ぇぇぇぇ!



「落ち着け松永!」

「流石に零龍と言えど無理だな」

「政宗様…」

「Ha!小十郎、殺られる前に行くぜ!」

「政宗様、お待ち下さい!」



ちなみにこじゅはまだ馬に跨ってなかった。

どうやら松永を宥めてたらしいよ。

お疲れ…。



「…いつもいつも悪いな零龍…」

「ちょっと帰ったら絞っといて」

「分かった」




あれ、いいんだ。

てっきり政宗様にそんな事は出来ねぇ…!
とか言い出すのかと思ってたんだけど。

それはそれで面白いからいいよね!



「じゃねー」

「じゃあな。…政宗様ー!」

「…大変だなぁ」

「…………」

「…ん?松永、どこ行くんだ」

「何、自室に戻るだけだ」

「ふーん…」



と言う訳でそのまま自室に帰った松永。

取り残された俺も自室に帰ろうか…。

…そういえばこたどこ行ったんだっけ。

………………あぁ。

そうか、北条のじっちゃんの所に帰ってんだっけ?

ってか小田原城ってこたの家?

…考えずにおこうめんどくさい。



何か知らんけど見送るだけでどっと疲れたな…。

寝るか。



〜そんな訳で日が傾いて来た頃〜



「寝すぎたっ?!」



障子がうっすらと赤く染まっている。

…夕方かよぉぉぉぉ!

寝すぎた…。

とりあえず腹も鳴り出したので屋敷をうろつく。

まだ覚えてないんだよ屋敷の内部。

だから、もし今捕まって、屋敷の詳細教えろーとか言われても言えないっつーか。


あー腹へっ……アレ。

いつから俺飛べる様になったんだ?



「おおお俺飛んでるよアーイキャーンフラーイ!」

「いや飛んでるのは俺様が抱えてるからだからね」

「ん?何だこの子○ボイスは…」

「…○安?誰それ」

「………」



ええ、ええ、正体分かりましたとも。

顔から血の気が引きましたとも。

頭も覚めましたとも。

何でよりによって俺様何様佐助様がいるのかなー。

ついでに何で俺抱えて飛んでんの?







終わればいい。

――――――――――ミ☆
アレ、旅に出るつもりが攫われちゃたよ零龍。
今度は松永様が救出劇(ぇ
多分。
とりあえず筆頭、いつの間に零龍の正体知ったの?って言う。
多分前回の時だと思うよ。
何か筆頭も惚れたらしいよ。
こじゅは惚れてるのか惚れてないのか…。
そんな感じで続くよ。

ここまで見て頂き有難う御座いました。


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