PM | ナノ


今、幸せです。

 


毎日毎日とても長い間

世界を 見て 創って

頑張ってきた

世界が滅ぶ事がないように



世界を見てると色々な色がある


綺麗な町の白
深い森の緑

喜びの黄
憂いの青

殺意の赤
憤怒の茶
嫉妬の紫
憎悪の黒

一番多く見た人間の色は赤と黒

どいつもこいつも大体赤と黒を持ってる

まるで生き物に流れる血のように
(まるで深淵の奈落のように)

心が真っ赤な奴もいればちょっとだけ赤い奴もいる



その色はゆっくりと、確実に、俺を蝕んでいった。




暗い暗い闇の中。

ここは俺が作り出した俺一人の世界。

毎日、世界を見て創ったりした後ここに来る。

そして思った事をただ呟き続ける。



「今日も世界を創った」

「また赤と黒を見ちゃった」

「もうあの色を見たくない」

「もうあの色の曲を聞きたくない」

「毎日毎日頑張ってるけど」

「減る所か増えるんだ」

「赤と黒で今日も町が一つ埋まっちゃった」

「どうすればいいんだろう」

「どうすればいいのか分かんないよ」

「誰か教えてよ」

「一人は嫌だよ」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だもう嫌なんだ」

「誰か一緒に居てよ」

「俺の隣に居てよ」

「何で誰にも聞こえないの」

「何で誰も聞いてくれないの」

「俺が神様だからなのかな」

「神様は一人で居なきゃいけないの」

「何で何で何で何で何で誰が決めたの」

「そんな決まり事無いのに」

「誰か助けてよ」

「赤と黒に潰されそうだよ」



この日は何故か叫びたかった。

声は大きくないけど、喋り続けたかった。

どこからか声が返ってきそうな気がしたから。

そんな事、有り得ないのに。


ここは俺だけの世界

神様の俺以外は入れないの


なのに、声が聞こえた。



 ― 神様は一人じゃない。



声を聞いた瞬間、俯いていた顔を上げて周囲を見回す。

けれど声の主は居なかった。

気のせいか、と思いながらも気のせいであってほしくないと思う俺が居た。

この日は妙にすっきりしたからこの世界を出て家に戻った。

この世界から出る時にまた声が聞こえた気がしたけど気にせず出て行った。



唯一の光が居なくなり暗闇に戻る。

そんな先の見えない暗闇に、響く声。


 ― もう暫くしたら会いに行く…神様







そしてまた。

世界を見て、創って、あの世界へ行く。



一人で呟いていると声が聞こえた。



 ― そんなに悩む事無いだろ?



聞いた事のある声にまた周囲を見回す。

でもやっぱり姿は見えない。



 ― 神様、声だけじゃ力不足か?



そんな事は無いと首を思い切り横に振った。

誰かが居る、それだけで嬉しかったから。



 ― それは良かった。じゃあ続き聞かせてくれよ。



それから毎日毎日、同じ事をしながらあの世界へ行った。

あの声と会話すると言う楽しみを持ちながら。



1ヶ月くらい経ったある日、世界に行くといつも返ってくる声がしなかった。

もしかして消えてしまったのだろうか?と不安がよぎる。

恐る恐る声を出してみた。



「黒ー!」



黒、と言うのは声の名前。

この暗闇の世界で生まれたらしいから黒。

黒曰く、他にも黒いらしいけど。



名前を呼んで5分。

声は返ってこない。



本当に、消えてしまったのだろうか。

せっかく、俺の声を聞いてくれる奴が出来たのに。

切なくて怖くて苦しくて涙が出てきた。

サングラスを取って目に溜まった涙を袖で拭う。

涙を拭いたあとサングラスをかけ直すと同時に肩を叩かれた。

驚いて後ろを振り向くと頬に指。

そこには、笑顔の俺が居た。

何で俺が居るんだろうとか。

何で笑顔なんだろうとか。

考えるよりも先に言葉が出てきた。



「…黒?」

「正解」

「何で、今まで声だけだったのに」

「あーまぁあの時は諸事情で」

「何で、俺の姿なんだ」

「んー…多分神様の影響」

「何で、そんな笑顔なんだ」

「やっと神様に会えたから」

「そう、なのか」

「そうそう。さて、今日はどんな話してくれるんだ?」

「あ、今日は南の…」



黒が俺の姿で現れた。

嬉しかった。

もう独りじゃない。

ここに来れば黒と話が出来る。

ここに居れば黒と遊べる。



「…神様?」

「ん、あ…あぁ、どこまで話したっけ?」

「今日も町一つ赤と黒で埋まったって所まで」

「そうか」

「なぁ、神様」

「何だ?」

「俺はもう自由だ。声だけじゃない実体があるんだ」

「そうだな。こうやって話が出来るっていいな」

「神様、俺が支えてやるから外行こうぜ」

「…嫌だ」

「あの色が、怖いからか」

「あぁ、怖い。あの色を見るのが怖くて仕方ない」

「じゃあ目を瞑れば良い。こけないよう、俺が手を引っ張ってやる」

「音が、嫌な音が耳に響く」

「それは神様がその色に捕らわれてるからさ」

「俺が、捕らわれてる?」

「そう、今なら聞こえない筈だぜ?」

「…でも」

「俺が、傍に居てやるよ。何が起きても大丈夫なように」

「黒…お前は、怖くないのか?」

「無いって言えば嘘になるが、有るって言っても嘘になるな」

「外に出たいのか」

「あぁ、出てみたいね。俺だけじゃ不安か?」

「…いや、十分だ。行くか、外」

「おぉ行く行く外」



独りじゃないなら怖くない。

誰かが傍にいて、俺の話を聞いてくれて。

俺を支えてくれるなら怖くない。

今一度、勇気を持って赤と黒に塗れた世界を創り直そう。


今度こそ、赤と黒の無い世界を。



  ――――――――



「神様ー起きろー」

「んお…朝か」

「昼だ」

「何ィっ!?」

「今日は用事無いんだからいいだろ」

「…あぁ、そうかいつもの癖で」

「とりあえず影が飯作って待ってるから早く降りて来いよー」

「おー」



夢だった。

懐かしいあの頃の夢。

感情も魂の音色もコントロールがあまり出来なくて。

心に闇ばかり溜まっていたあの頃。

今、あの世界は消してしまったが。

時々無性に行きたくなる。



…まだまだだな俺も。




「神様ー!」

「分かったって!」



ちょっと世話焼きで、お節介する事もあるけど。
いつも俺の横で支えてくれてる黒。



≪かみさまーはやくー≫

「…分かってるってば」



よく俺を怒るしかなりの世話焼きだけど。
本当に影ながら支えてくれる?。



それにポップンパーティーで出会った奴らも居る。



寂しいとか、悲しいとか今はあまり無い。

仕事が忙しすぎて辛いと思う事はあるけど。

大好きな音楽の為だから耐えられる。


そして何よりも。


支えてくれる奴が沢山居るから。

俺はちゃんと世界の道標になれる。



さて、今日は久々のオフだしどっか遊びに行くか。






今、幸せです。
(神様ー?!)
(だぁぁ行くっつってんだろ!)
(早くしねぇと食うぞ!)
(うわっ、待てコラ!)








――――――――――*
神様と黒神様の出会いっぽいもの
最初、小低学年くらい幼く
だんだんお子様卒業していく感じです
黒神は根が実はいい人だったり
神様の為なら何だってする人

?は家事とかしっかり出来るいい子
人とかでは無く「いい子」
純粋な子供のイメージです

ちょっと意味不な所ありますが
見逃して下さい←

ここまで読んで頂き有難う御座いました。


prev / next

[ back to top ]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -