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流れる景色を眺めながめるフリで、ガラスに映る少年の横顔を一身に見つめる。まぁ、どうせバレているんだろう。

見目麗しいこの少年―――四門昂矢は、俺の主だ。

「氷雨」

俺の名よりもっと冷たい声で、昂矢が俺に呼びかける。
ガラス越しに目があって、許しを得た俺はそっと彼の顔を正面から目据えた。

「…申し訳、ありません」
「なにが」
「貴方の姿を…見られました」
「なんだ、そんなのは全然構わないよ。僕のお披露目は3年後だ。まだあの二階堂の次男だって、僕が誰なのかなんてわからないさ」

そんな事を気にしていたのかと、くつくつ笑う顔は小学生のまま。
けれど俺は、その奥にある深い闇と…どこまでも硬質な眩しい光を知っている。


「――まぁ、でも。氷雨がすまないと思うんなら……いつものレッスンを少し長くしようか」


ゲームでもして遊ぼうか、と楽しげに誘う子供のように口にされたその言葉に。
俺の下腹部がじわりと熱くなった。




*****


「氷雨……もう少し、中に力入れてみて」
「ふ、ぁ……ハイ…」
「うん――少し引いても締めつけがわかる」
「ぁ、あっ」

屋敷に到着すると同時に、いつものように昂矢の部屋へ直行。そのまま、今日のレッスンが開始された。

今の俺には……人差し指程度の細長いディルドが挿入されている。
はじめはオイルを使っても慣らすのに時間がかかった場所に、この程度なら僅かな準備で受け入れられるようになった。

けれど―――受け入れるだけでは、駄目なのだ。


「……あと、早くて1年」

昂矢の呟きに、俺の腰が痺れて、起立から少しずつ先走りが顔を出す。

「ふ…、ぁ」
「それまでに、氷雨の身体を完全に作り変えなくちゃね」
「ん、んんっ」

ズルリと音をたてて抜かれた感触に、もっとと訴えていた場所が疼いた。
わかっている。
欲しいのは玩具なんかじゃない。

「氷雨……」

子供特有の体温の高さなど、興奮状態の俺には判別できなかった。むしろ、今の俺の方が全身から熱を発している。
細い指が束になって、ヒクついていた秘口に触れる。
待っていたとばかりに誘い込む入口に……クスリと満足げな昂矢の笑い声が被さった。



早くて1年後――――昂矢にあてがわれるだろう閨の相手として、相応しい身体に作り変える作業は深夜にまで及んだ。



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