第24χ 輝け青春、体育祭!(後編)@




体育祭も後半戦。種目も残り2つとなった。
説明が遅れてしまったがこの体育祭はポイント制になっており、勝った順にポイントが多めに与えられて、クラスごとに順位付けされるようになっている。
うちのクラスは総合点から見て4位。ここからの挽回も厳しいくらいの順位となっている。別に順位付けがされたからと言って報酬があるわけでもないし、モチベーションのためだけに存在しているものだからあまり気にすることもないのだけれど。

「どうしたんスか巛組、調子悪いっスねー。」

隣のクラスの鳥束くんが楠雄くんに向かって挑発をしている。勿論、楠雄くんにはまったく通じていないようで軽やかにスルーされている。もっと挑発に乗りやすい人にすればいいのに。例えば...。

「僕らが十組に負けたら坊主になろう!」

そう、灰呂くんみたいに体育祭に情熱を注ぐ人のような...坊主?今坊主にするって言ったよね?
その言葉に便乗するかのように、うちのクラス男子がみな坊主表明をしている。
これはきっと女子は入らないよね?入ったとしても私は髪を苅るつもりは毛頭ない。たとえ、裏切り者と言われようとも。

そろそろ次の競技が始まる。
アナウンスで玉入れ言っていた。体育祭らしい競技だけれど、球技はあまり得意ではない。以前のバスケをやった時を見ればわかるが、苦手な理由はボールの扱い方がイマイチ把握できないからだ。
ボールと言ってもお手玉のようなもので、それをカゴに放ればいいだけ。
私でもなんとか力になれそうな気がする。クラスの男子が坊主にするのは構わないけれど、楠雄くんが坊主になるのはあまりにも可哀想だ。

スタートのピストルが放たれる。
みんな懸命にボールを拾っては、上にあるカゴに向かって一心不乱に放っている。うまく入るときもあれば、カゴの淵に当たって跳ね返るときもある。中々距離感が掴めないのが難しくもあり、面白さでもあるのだろう
私もなるべくカゴの近くでボールを入れてゆく。時々ボールが不自然にカゴに落ちるのが気になったけれど、今はとにかく入ればいい。すでにうちのクラスのカゴは半分ぐらいが埋まっている。中々調子がいいのではないだろうか。

『そこまでー!投げるのを止めて下さい。これより集計を行います!』

競技終了のアナウンスが流れ、体育祭実行委員が1つずつカゴに入ったボールを数えてゆく。
うちのクラスはなんと83個。他のクラスの倍以上を入れている。これは勝てるかもしれない!

『えー□組は...100個』

私達のクラス上回ったクラスがいた。そんなに正確に入れられるものだろうか。疑問に感じてそのクラスのカゴを見てみれば、袋に詰められたボールが丸々入っている。
ルールブックには書いてないとは言え、こんなやり方が許せるだろうか。今の言葉で言うならば「違法ではないが、不適切である。」だ。
しかし、体育祭実行委員が良しとしているのならば、致し方ない。私達が坊主になるかどうかは、最後の種目であるリレーにかかっている!





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