第48χ オルファナスストーリー(前編)@




目が覚めたら、私は村人Aでした。

2
〜始まりの大地〜


ここは異界の地、オルファナ...
オルファナに住む人々はネクロソフィアと呼ばれる魔物の脅威に怯えていた。

ネクロソフィアは「マインド」と呼ばれる不思議な力を持っており、その力でオルファナを征服...
「リミテッドエディション」を目論んでいた。

それを阻止すべく国王は討伐隊「マーシャル」を結成した。
マーシャルは異なる「オーメント」を持っていて、オーメントにはマインドに似た力が備わっていた...
オルファナの人々はその力を「エクセル」と名付けた...。

説明が長い!
長い上に用語が飛び交いすぎて、用語と意味が紐付かなくて気持ち悪くなりそうだ。前もこんな用語だらけの話を聞いたような...そうだ、海藤くんだ。

そんなツッコミと共に私が目覚めたのはいつも使っているものより硬いベッドの上だった。硬いベッドのせいで身体中がズキズキと痛む。

夢の中で先程の無駄に長い語りにうなされて起きてみれば、そこは見慣れぬ世界が広がっていた。
丸太作りの家に何世紀前だかもわからない格好をした人達が同じ行動をずっと続けている。
まるでゲーム中にでも入ってしまったかのように。

ここでいつまでもぼんやりしていても仕方がない。私は外に出ると人がいないか辺りを見回した。ゲームの世界に迷い込んでしまったなら、ゲームのセオリー通りにまずは村人に話を聞いて行くのが一番手っ取り早いだろう。

ふと視界に止まった、定位置で足踏みする男性に声をかける。本当はこんな奇妙な行動をする人に近寄るのも嫌なのだけれど。

「あの...この世界は一体何なんですか?」
「ここは小さな村だよ。ここは小さな村だよ。」

同じ言葉しか繰り返さない。ゲームでは何も違和感はないけれど、肌身で感じるとゾッとするのを感じる。
1人に対して1つの情報しか手に入らないのなら、複数の人に話しかけるしかない。私は次の村人を探して村の中を彷徨う。





*まえ つぎ#
もどる
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -