Afterword
【あとがき】

プロットを考えていた当初の予定より、少し長い章になりました。いろいろトラブルにも見舞われましたが、どうにかこうにか年内の更新にこぎつけられました。細かいことはまた改めて、ブログにでもまとめておきます。
日時からもお分かりいただけるかと思いますが、本章の更新が当サイト、そして私から皆さまにお贈りできるクリスマスプレゼントになります(なるのだろうか)。ふと思い当たって拙作を漁っていましたら、第2編の完結がちょうど2009年のクリスマスでした。当時は開設から二年半ですから、けっこうなハイペースで書いていたんだなあ、と今になってみると感じます。毎日毎日、枕元で携帯電話をぽちぽちやっていたのも懐かしいものです。最近は朝起きるのも……いえ、やめておきましょう。
本編、第3編の執筆期間は間違いなく前編までのそれを上回ることになりますが、長い目でお付き合いいただけますと幸いです。いつになるやら……ですけれども、完結はさせたいところです。

本章はリーゼの章ということで、彼女に重点を置いて執筆いたしました。
皆さまの周りには、何らかのきっかけで性格が変わるような人はいらっしゃいますか?
漫画やアニメなど、虚構の世界ではよくある、むしろありすぎて陳腐とも感じられるこの性質。そのきっかけはと一口にいいましても、怒りや悲しみなどの感情の爆発や、何かに触れたり、乗ったりという行動……などなど、たくさんありますでしょうか。リーゼの場合は前者です。
しかしながら、現実の世界ではそういった性質が目立つ人というのはなかなかいませんよね。爆発する怒りに身を任せて、周りに目もくれず猪突猛進……なんてことにはそうそうなりません。人それぞれ、うまく自分を律して生きているわけですね。
虚構の世界でこういった設定がありふれるのも、現実にはなかなかそういった"自己の解放"というものができないからなのかなあ……と思ったり。虚構の世界というのは言ってしまえば何でもありの世界ですから、やりたいことの投影も自由自在で。私ももちろんやっています。こんなキャラクターのようでありたい、反対にこうはなりたくない、私もこんなシチュエーションに置かれてみたい……などなど、過去にもいろいろ私の願望を散りばめた作品はありまして……と、このまま話を進めてしまうと脱線してしまうので戻りましょう。これについてもまたいつか、ブログの方ででも。

おとなしい子が怒ると手がつけられなくなる……というのも、ずいぶんと使い古された設定だと思います。が、そんなことには構わず、本作ではリーゼにその性格を与えてみています。彼女を生かすも殺すも私次第かと思うと、あまりいい加減なことは書けませんね。
彼女がこういう性格になった理由も一応考えてはあります。が、本章ではそこはまだ伏せておくことにしました。この先、予定では前作および前々作と同様に40章(厳密には序終章プラス本編37章、ですが)の構成にする予定でおりますので、少なくとももう一度くらいはリーゼにスポットを当てた章が出てくる……はずです。断言を避けているのは、章構成のプロットをしているわけではなく、あくまで「全体のお話はこんな感じ」という程度にしか枠組みを決めていないということと、そもそもその設定をきちんとまとめられるかどうか、現状はあまり自信がないからです。
「設定いろいろ考えたんだけど、本編で出してない」というパターンが、これまでけっこうあるのですよ。第1編、第2編ではキャラクター単位でそれがあったりします。設定を凝りすぎて、お蔵入りになったキャラなんかも。彼らは今もノートで眠っています。いくらか設定を削ったり変えたりして、そのうち生まれ変わった彼らを本編に出せたらいいなあ、と。

そして本章にはシヴァルとゼノンにもそこそこ出てもらったので、これでひとまずメインのメンバーとして紹介しているキャラクターたちをそれなりに描けたかな、と思います。あとは、ようやく少しだけお話に絡んできたアネイルだけ、でしょうか。彼女は今後のキーパーソンにもなりそうですが、本格的に登場するのは、もう少しあとになります。
ええ……焦らしますよ。もうしばらく。彼女にスポットが当たる章を、楽しみにお待ちください。

さて、本章はあとがきも長くなりましたが、次章ではセレンが中心のお話になります。
これまであまり触れられなかった彼ですが、次章ではしっかり軸として働いて(?)もらいます。そして変わらず忙しくなるであろうスィルツォード……これは主人公の宿命ですね。
スィルツォードばかり出てきて飽きられるかもしれませんが、彼以外のメンバーの動向に目を向けながら、またいないメンバーが何をしているかを考えながら、読み進めていただくのもおもしろいかなと思います。


【次章予告】

街を混乱させる大きな事件はまだ終わらない。ギルドメンバーたちの戦いは続く。
そしてその水面下で起こる小さな事件。
「……これって、まさか」
手に取った何かを見つめるセレン。その目に映るものとは。

― Chapter 6 真贋 ―



2015.12.25
管理人:Kurom(くろむ)
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