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「あっ?っご、ごめんなさぃっ!」

「こっちこそ、ごめんね」



顔を上げると、そこには、ティリアンがいた。














イルミネーションの輝く夜の街で、あたしは走っていた。

なぜ走っているのかというと、急いでいるからだ。

なぜ急いでいるのかというと、



やばっ!早く帰らなきゃっ!!

ドラえもんスペシャルがっ!!




一週間前から楽しみにしていたドラえもんスペシャルを見逃さないためである。


そのために、カップルや仕事帰りの人々がごった返す街中で小走りをしていた。


ふいに、ブーツを履いた自分の右足に、自分の左足がつまずいた。
そこで、自分だけが転べばよかったかもしれない。
だが、あろうことか前から来た人におもいっきりぶつかってしまったのだ。





ドンッ!!!





その人はよろけながらも私を支えてくれた。


すぐそこまで迫っていた地面を見て、冷や汗をかく。





「……大丈夫?」


「あっ?っご、ごめんなさぃっ!」

「こっちこそ、ごめんね?」



顔を上げると、そこには、ティリアンがいた。




「………」

「あの?」

「ィリ……ァン…」

「ん?」




そこにきて、ぶつかってしまったことに一気に恥ずかしくなった。


「あっ、いえっ!!あっありがとうございました!」

恥ずかしくて恥ずかしくて、あたしはそうゆうとまた小走りで駅へ向かった。


「…あっ、ちょっ……あれ?これは?あのこの?」







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