09
初めて彼女を見たとき、思わず息を呑んでしまった。
長く、漆黒の髪、陶器のように白い肌、朱に染まる頬、紅い唇。
そして、黒く大きな瞳…。
私を惹き付け、放さない。
なぜか、彼女には泣いてほしくなかった。
何故――……。
パタパタっ
私に置いていかれないように必死についてくるなまえ。
いきなり現れた、不思議な少女……。
私は、彼女を―…
なまえをどうするつもりなのだろうか。
国王さまに謁見させ、どうなるのか。
たとえ、どうなろうとも――…私は彼女を放したくはない。
何故なのだ―…?
分からない――………。
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