小説 | ナノ





真夏の夜の過ごし方(中) *R-18

テーブルの上に置かれたグラスの中の氷がカラン、と音をたてた。


小さく涼しげな音が部屋に響く。

音色の心地よさに耳を奪われたらしい、沖田の全身の力が抜けた瞬間―――原田の手が与えてきたのは、下肢への直接的な愛撫。遠慮など微塵も感じられない、強く握り揉みしだく乱暴な動きに背が弓のように反る。


「……っ!ぁうっ……く!?」


突き出してしまった胸の先端に、針が刺しこまれたかのような痛みを感じた沖田が、声にならない叫び声をあげ目を見開いた。電気が走ったような衝撃に、ビクビクと小さく震える身体で原因の方へと視線をうつす。

「ふ…、んぁっ……っ…氷?」

先刻まで原田がブランデーを飲むために使っていたグラスの中の氷が、その唇に咥えられ……勃ちあがった胸の飾りを弄ぶように転がしていた。

痛みからか快感からか――氷とぶつかりあう度に赤みを増し硬く育っていくそれ、が濡れて光る卑猥さに、思わず目が釘付けになる。

原田は小さくなった氷を口に含んだまま、突起を口内で弄んだ。
冷えた舌先が触れた箇所に熱い吐息が吹きかけられる、初めて味わう感触。吸ったり噛んだり…そんな行為を繰り返されるうちに、沖田の身体は未知の快楽に侵されていく。

「ふ、涙目になってんな。そんなに良かったか?ここ」
「……ぁ。わ…かんな……い」
「すげぇ赤くなって膨らんでる、わかるだろ」

胸の先端を指で弾かれ、もう一方は再び生温かい粘膜に包まれる。

「もっと、よくしてやるよ」
「……ぁっ!しゃべんない、でよぉ!ふ……っ…んんっ」

短パンから伸びた、露わになっている白い太ももの内側を、原田の手が這い回った。

吸い付くような肌の感触を手の平で味わうように撫で、爪の先を薄くひっかくように滑らせる―――触れて欲しいと、短パンの中で主張をしている存在のギリギリまでを刺激し、だが決して触れることをしない。

そのもどかしい動きに焦れた沖田の瞳に涙が滲んだ。

「……っ…はぁ、…んぅ…っ」

濡れた翡翠が切なげに細められる。

片手を口元に持っていき、指を噛みしめて声を上げないよう耐えている姿が、原田の分身をダイレクトに刺激し――性質の悪い悪戯心にもますます火をつけた。

「今日はオネダリは無し、か?」
「……いつも、してないしっ…!」
「なんだ。上手に言えたら“普通”にしてやろうと思ったのに」
「ウ…ソ、ばっかり……っ!」

「んじゃあ、期待には応えないと…だな?」


汗ばんだ震える太ももをじっくりと堪能したその手が、膝、そしてふくらはぎから足首へゆっくりと滑らされていく。
足首を握り、乳首に軽く歯を立てると、全身に痙攣が走ったのか沖田の身体がピクピクと跳ね、腰が浮いた。その隙を見逃さずに、空いた手で短パンを一気に膝まで下げ、はち切れそうな程に反応している下肢を露にする。


その箇所に触られたのはほんの少しだけ。


食べかけのアイスやら氷やらで、信じられないような愛撫をされ、それでも感じてしまっていたのだと云う事実を目の前に突きつけられる。隆起した胸の突起、乱れた息に合せ上下する腹筋は溶けたアイスと唾液に濡れ、沖田自身から滴り落ちた先走りが、陰毛までもきらきらと輝かせていた。
それを見た沖田の肌がますます赤みを増し、扇情的なものとなる。

なまめかしく光る身体の上に、唇が落とされた。

痕を残していく様を見せつけるかのように、きつく吸っては、挑発的な目で沖田を一瞥して、
首筋に、胸に、脇腹に。
最後に腰骨の上に甘噛みを残す。
ようやく望んでいた箇所に触れて貰えるかもしれないという期待から、晒された熱が何よりも素直に反応を見せた。


早く、と。


とうとう我慢の限界を訴えた沖田が、蚊の鳴くような声で続きを乞えば――ふっ…と、吐息で笑う気配が伝わってくる。
それに対して文句を言う前に、かろうじて膝に留まっていた短パンが下着ごと足から取り払われ、片足をソファの背もたれに掛けるように大きく足を開かれた。

もう一方の足も原田の肩にかけられる――

明るい部屋の中で、全てを曝け出している自身の状態と、舌舐めずりしながら見つめている恋人の熱のこもった視線。気付いたものの、見られることすら快楽のためのスパイスとして認識してしまうほど身体も脳も沸騰していることが分かり……、その羞恥に沖田はぎゅっと目を閉じた。


「触ってもないのにもう後ろまでひくついてる。本当、やらしいな総司は」


前への刺激は与えずに、後ろへ滑らされたベトついた原田の指先が、少しだけ沈められる。

「………んぁっ!!」

素早く引き抜き、息が整うその前に、また、沈める。
痛みのない事を確認しながら、浅い抜き差しを繰り返し、いやらしく少しずつ熱を高めていく巧みな指先。

のけ反って喘ぐ喉元を、濡れた原田の舌が舐めた。

「このまま挿れちまっても、平気そうだな?」
「や…っ、むり、やだ…やだ……ぁ」
「冗談だよ。ちゃんと――」

熱で浮かされた沖田の目尻を伝った涙を舌で拭ってから、重ねられる唇。

「ん……ぅん。……ひぁっ?!」



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