小説 | ナノ





ちょっと名前を呼んでみて

* 原沖前提の斎藤さんと沖田さん
* その後の原田さんと沖田さん




「あんたに聞きたいことがある、平助のことだ」
「……平助?どうかしたの?」
「何故、今は平助だったのか」
「へ?一君、ごめん。話が全然見えないんだけど……」
「今、平助と呼んだだろう」
「……呼んだね」
「…………」
「…………え〜っと?」
「………………」
「もしかして、呼び捨てにしたこと?」

「あんたが平助を呼ぶ時は「平助」もしくは「平助君」だ――違いはなんなのか、その基準が知りたい」
「基準、て。特にないんだけど――……空気、とか。会話の流れ、とか?」
「そうなのか?」
「うぅ〜ん、難しく考えたことないんだけど。最初「平助クン」て呼んでたのが、「平助」になったから……昔の名残、とか?」
「名残……」
「うん。一君のこともたまに斎藤君、て言うことあるでしょ。そんな感じなんじゃない?」
「“君”付けが、呼び捨てになったから――…」
「そーそー」

「では、俺はいつ呼び捨てになる?」
「………………え?」
「俺はあんたを総司、と呼んでいる」
「………そうだね」
「その、つまり。あんたも俺のことを名だけで呼んでくれても……否、違うか。俺自身が、総司にそう呼んで欲しいと思っていると云う事を。それを伝えたかった」
「……えっ、と。」
「あぁ」
「無理――かな?」
「なっ……何故!?」

「……ん〜、やっぱ無理だよ。一君ははじめ君だもん!「一君」。うん、しっくりくるし」
「……」
「それにほら、僕って基本呼び捨てとかしないじゃない。違和感あるよ、やっぱり」
「…………」
「ねぇ、そんなことよりさ。折角の非番なんだし出かけようよ。美味しいお店発見したんだ」
「………………」
「はじめくん」
「……………………」
「ちょっと、一君?」
「…………………………」

(もしかしなくても、これは――)

「はーじーめーくーん」
「………………………………」




こうなると一君は梃子でも動かないww
すごい沢山パターンを考えてみたけど、いまいちどれがしっくり来るかわからなかったので、この後はもう丸投げです←






「なんで呼び捨てにしないのか…って、斎藤がか?」
「うん。一君でもそんな事気にしたりするんだね、って。ちょっと意外だったなぁ」
「呼び捨てねぇ……」
「しませんよ?」
「早ぇよ!まだ何も言ってねえだろうが」
「心の声がだだ漏れでしたよ。第一有り得ないでしょ、僕が左之さん呼び捨てにするとか。新八さんみたいに?「左之〜」って?」
「ははっ、実際言われても変な感じだな」
「……でしょ?」

「だからよ、まぁ、斎藤もそうなんだが。お前に特別な呼び方をして欲しいってのが重要なんであって、呼び捨てどうこうが問題じゃねぇんだって」
「特別――?」
「あいつにしてみりゃ、お前が“さん”だの“くん”だの付けてないのが、ちょっと異質に聞こえたんだろうよ」
「ふぅん?よく分からないけど」
「そういうもんなんだって」


「左之さんも、僕にして欲しい?特別な呼び方」

「ありゃあな。でも今んとこ特に何も――」
「ん〜。左之助さん――、とか?」
「……………」
「なんか、やっぱり変な感じですね。僕っぽくないし。でも他に呼び方って――」
「もう一遍頼む」

「は?」

「総司」
「は…?え、えっ?」

「総 司」
「さ、左之助…さん?」

「………」
「……………え、ちょっ」


「さ、左之さん!?何でいきなり“こんなコト”になってるわけ!」
「呼び方戻ってるぞ。今日は朝まで、さっきのまんまでな?」
「はあぁぁああ?なんでそんなこ…」
「ん?いや、呼び方ひとつで初々しくなるもんだ、と思ってよ」
「初々…って。そんな理由で、ちょっ…ぁ」
「可愛いぜ、総司」




「左之助さん」って新妻っぽい。
てか新婚初夜ごっこプレイ(何…)にスイッチ入る左之さん、最低で良いってだけのメモwww←



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