プロローグ。
眠い。
…………今何時間目?
【10:48】
あぁ…………
えっと…………
8……9…………10……
三時間目?
あー……腹へったぁ……
…………鳴りそう。
…………鳴ったら死ぬ。
【きゅるるるるる………】
あ、
死んだ。
――――――――――*
「砂漠ちゃーん!」
「誰が砂漠d「いやー!さっきは盛大に鳴ったね!」
「シカトッ!?」
「教室中大爆笑とかなかなかないよッ!さっすが砂漠ちゃん☆」
「…………。」
こいつはいつもこれだ。
爽やかな笑顔でこれだ。
タイチが俺に
気をつかってきたことなんて
この14年の付き合いのなかで
一回もないが、
高2になればそろそろ
スルーする優しさが芽生え…………
…………ないよな、
タイチは多分、
一生このままだ。
……顔が熱い。絶対真っ赤だ。
俺の一生の恥ランキング
6位に入れておこう。
ちなみに5位は…………
いや、言いたくない。
忘れてくれ。
後ろから女子の笑い声が聞こえる。
俺を見て笑ってる……気がする。
こわくて振り向けない。
俺の被害妄想であってほしい。
切実に。
「いやぁしかしやっぱイケメンから出る音は違う!」
「…………それ以上言ったら殴る」
「褒めてるのに!砂漠ちゃんひーどーいーッ」
「てんめッ」
「痛ッ!暴力反対!ちょ、まっ」
「うん、待たない☆」
「っあああああああああ!!」
4時間目は爆睡決定だな。寝て忘れよう。
大丈夫、俺の席は絶対安全区域。
先生にバレることはまずない。
ってかこのパターン何回目だ?
あーあ、
もっと青春っぽい日常
過ごしたいよなぁ…………
「ギブギブギブ砂漠ちゃんやめて痛いぃぃぃぃぃぃ!」
…………やめたげないっ☆
―――――――――――*
絶対安全区域
※正面・右前にガタイのいい男子
※窓側前から4番目
※ドア側に目立ちたがりやの男子
※成績トップの女子が
その左前
その他諸々の条件によって
作りだされる
先生の死角。
そう、俺の席。
*続く*
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