次の被害者は

翌日

「おはよ…。」
綾瀬響は大きな欠伸をしながら席についた。

「おはよ〜
って遅かったな。」
隣の席に座っている長身の長谷潤が笑う。

今は4時間目の数学。


「おい綾瀬。
初っぱなから遅刻とはどういうことだ。」
数学の教師である中年のあまり特徴のない男が呆れながら教科書を教卓においた。

響はニコッと笑う。
「へへ。」

響が目を泳がせるとちょうど窓際の前の方の席に座っている奏と目があった。

ーーーー

昼休み
中庭


「響、できた?」

お弁当の卵焼きをつつきながらバッチリメイクの女子高生、麗ちゃんこと神田麗空が笑う。

綾瀬響は眉間にシワをよせながら、嫌そうに微笑んだ。

「ひーくん犯罪者だね。」
小鳥がクスクス笑う。
奏が少し驚きながら苦笑い
「いかんよなぁ、それは。」

響は頬を膨らましながら
「なんで俺なの。そういう系なら祭の方が似合ってるだろ。ってかなんであいつはいないんだ。」

「「たしかに…」」
その言葉に奏と小鳥はうなずく。

「みんな、祭先輩のこと全然わかってないわ。」
と不意に麗空がため息を吐いた。

全員が首をかしげながら麗空に注目する。

「祭先輩は昨日返ってきたテストが欠点まみれで補習とか受けてるんだ!」
麗空は指を前につきだした。しかもどこか自慢気だ。

「まっ…祭らしい…。」
奏がまたちょっとひいたような顔をしてひきつった笑みを浮かべる。

「まあ、あの人が家に居なくてよかったよ。」
響がバンのゴミを袋に詰めながら呟いた。
「どういう人なんだ?」

すると麗空が
「えと、たしか近所の野良猫たちを殺してたらしいよ。
懲役は1年半。それから釈放されてる。
前の現場から近いし、絶対くると思うの。
警察はやばすぎて関わりたくなさそうだから、blackknightにも依頼がきてる。」

響は午前中に、麗空の指定した、次に被害者になるだろう。という人物の家に監視カメラを仕掛けに行っていたのだ。

「あたしがカメラを見とくから、何かあったら連絡する。」

それを聞いた小鳥が首を傾げた。
「突撃…?」

すると少し間があく。


「うん。どうせ死刑になるから、殺してもいいみたい。」









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