2.
辻「日が昇り、朝が来ました。村人達は目が覚めました。…皆さん、目を開けてください」
辻「まず、犠牲者を発表します」
(ゴクリ、とどこからか唾を呑んだ音が聞こえた。皆緊張した眼差しを辻に向けている。辻はゆっくりと全員を見回すと、一人へと視線を注いだ。)
辻「リディア・スウィフトさん。残念です」
リド「ぇぇぇぇえええ、俺ぇええ!?いや、何が何でもいきなりすぎるだろぉおおお!?脱落早っ、てか、誰だ殺しやがったのは!?」
ロー「っ、」
辻「黙ってくださいね。死人に口なしですよ」
(辻が傍にあったダンボールを漁る。そこから取り出したのは白のカチューシャで、細い棒のようなもので天使の輪を模した白くてふわふわした輪が取り付けてあった。それを半ば無理矢理リドに付けさせれば一人目の天使の出来上がりだ。)
リド「……………(涙目)」
辻「皆さんの意見を聞いていきましょう」
鳳「まさかの一人目だよな…」
尋斗「誰かが犠牲になるのは分かってたけど、いざとなると少し驚いちゃうよねェ」
ゼノ「は、まさかあの嫌味な野郎が最初とはな」
イチル「…で、誰が殺したと思う?」
(沈黙。誰も何も言わない。確かにまだ一夜目で情報が圧倒的に不足している今、憶測を立てるのは危険だ。だが、考えを持たないこともまた次の犠牲者を新たに生むため、議論をしなければならない。)
三浦「あのさ、ちょっと気になったんだけど、」
森宮「雅臣?何か知ってるのか?」
三浦「知ってるっていうか、…ローウェンさん、もしも自分が人狼だったら真っ先にリディアさんを殺しに行く、って言ってましたよね?」
ロー「ッ、違う!俺じゃない!!」
尋斗「あー、確かに言ってたねェ」
カルナダ「私も確かに聞いたよ?」
ロー「俺じゃない。本当なんだ。どうして俺がリドを殺さなきゃならないんだ!!」
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