愛に年の差なんて/轟最近話題!!年の差ヒーローカップル!?と書かれた雑誌の表紙。中に書いてる言葉が鋭い刃になって胸に突き刺さった。
何故なら自分も年の差カップル。
誰かにバレないようひっそりとお付き合いしているわけだが。
「名前?」
後ろからその雑誌を覗いてくる名前の恋人の轟焦凍。
つまり年下の彼氏。
「やっぱり世間は年の差カップルに冷たいね」
雑誌には遺産目当てか!とかもうあることないこと書きなぐられている。
それにたいして、轟は俺の方が稼いでるから遺産目当てはないな、とズレたことを言っているが。
「うう、こんなおばちゃんと今大人気のショートが付き合ってるとかバレたらどうしよう」
もしかしたらファンに殺されてしまうんじゃ!?と物騒な考えにたどり着く名前。
「俺は公表したい」
「焦凍…」
名前がどうしても、と言うので隠しているこの関係だけれど轟は本当は公表したい。
「俺は名前が好きで付き合ってる、年の差とか気にしてねぇ」
「わ、わかってるよ」
「誰かの意見なんて知るか」
轟は後ろからギュウっと名前を抱きしめる。
「ちゃんと愛があるってわかればいいんだろ?」
「そ、そうかもしれないね?」
愛があるとわかれば周りも言ってくることは少なくなる、そう思った轟はストレートにこう言った。
「結婚して子供作るか」
その一言に名前は顔をりんごのように真っ赤にした。
大好きな彼氏からの突然のプロポーズ。照れるに決まっている。
「明日婚姻届貰ってくるか」
いいだろ?と当然のように言う彼に名前はこくこくと頷いた。
「名前、幸せにするからな」
「はい」
2016.5.31
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