夜の音三題
月が詠う愛の詩

「愛してる………」

時々、くれるこの言葉。
その破壊力は凄まじくていつも俺を撃沈させた。

「うん…」

まだ素直にその言葉を囁けなくて。
子どもっぽくて情けないけど。
愛を詠える程大人じゃなくて。
でも好きじゃ伝えられない位には大きなこの気持ち。
そんな俺の葛藤もきっと全部分かって抱き締めてくれるこのヒトの優しさ。

「今はそれで、十分だ」

最愛の月が詠う愛の詩は。
今日も俺の意識を全て奪ってく。


+++++
これは夜の睦言。
ベッドの中の甘い囁き。
平常時、他人の視線がある時は絶対に出ない殺し文句。


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