少しだけ乱れた浴衣姿の城さんにドキドキしてしまう俺。
声を掛けられないままじっと見つめる。
海の端からゆっくり白んでくる空。
そんな空を見つめる城さん。
「酷い乱れ方だぞ登」
「うわ!」
声を掛けられて驚き。
自分の浴衣が帯も解けて全開な事に驚いた。
慌てて帯を探して身に付けた後。
城さんの傍に行って抱き付いた。
「水平線も綺麗だけど」
「登が見たいのは地平線だったな」
「うん。一回なんかのテレビで見た」
そっと浴衣の襟を割って開く。
そこには幾つか傷がある。
古いのも新しいのも。
その内の一つはまだ傷跡も生々しい赤だ。
臍の直ぐ傍、斜めに10センチ位………。
「………登…」
ちゅっと唇を落とす。
一回、二回、三回………。
「もう良いから」
少し強引に上げさせられた顔に、今度は城さんから。
額、頬、最後に唇。
優しい口付けが降った。
「いつか」
「え?」
「いつか見に行こう、二人で」
遠い未来の約束を交わせる、喜び。
実現出来るか分からないけど。
でもいつか。
「地平線を見に行こう」
「うん、行こ……」
遠い未来、例えばJDGを退職する位の。
そんな遠い未来でも二人一緒に居られると良いな。
そう思った。
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城大怪我慰安旅行(まだ続いてたのか)
傷口に口付けるってなんかやらしいな、でも萌える。
遠い未来の口約束が守られればいいなと思います。