足りない。
そう言えない変わりにそっと下肢に力を入れてみる。
「………登?」
掠れた美声に体を震わせ期待を込めて優しい灰色の瞳を見つめる。
一瞬眉を潜め、俺に宥める様な口付けを落とした。
今日はもう終わりの合図。
そっと額にされる口付けはその証だ。
唇に落とされる口付けは続行の合図。
だから俺は思い切って口付ける。
あまり俺から口付けする事はないから驚いているに違いない。
「……あんまり煽るな登…」
じわり。
声に艶が増して城さんも欲情してるとわかった。
「明日は早番だろう?」
「一週間位すれ違うから……」
「登……」
気遣ってくれてると分かる。
でも欲しいんだ。
まだもっとずっと。
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城は結構淡白。
登は人並み。
でも時々登の泣きが入るぐらいな事も。