手を伸ばしたくなる20題
迷う視線
約束を忘れられた。
それは今迄にも何度もあって、その度に私は怒って。
でもあの手この手で許しを請われる訳でもなく
なし崩しに許してしまう。
やっぱりより惚れている方が負けなのだ。
今回も、そう。
だから私は一度待ってみようと思った。
あの人が約束を思い出して私の所に来るまで。
幸い副隊長の予定もあり今日明日は非番だ。

私は貴方を待っている。
こうして思い知れば良いのだ。





「マーティ……!!」

悲鳴の様な声。
重い瞼を押し上げる。

「ごめん、ごめんマーティ……!!」
「……アレ…ク……」

外は暗いし雪も降り出した。
綺麗で綺麗でイルミネーションに光る雪を見つめていたはず。

「こんなに冷えて……っ!」

寒くて顔の筋肉が強張り悪態もつけない。
アレクの腕に抱き上げられるとタクシーに乗せられて
直ぐに議事堂のドクターの元へ運ばれた。
大丈夫だと言ってるのに。

「マーティ!」
「………城…?」
「アレクさん……っ。貴方という人は!!」

城が。
本気で怒ってる。
怒りのオーラは殺気となって私にも突き刺さり、職業柄体がびくっと反応する。
今にも殴りかかりそうな城を制止し、私は「大丈夫」と伝える。

「この人……は、私が殴る、から…」

その言葉に嘆息と共に拳を下ろした城は。
私の髪をひと撫でしてメディカルルームを去った。
そして沈黙。

「アレク、泣かないで。私も意地を張って無茶をした……」

泣いてはいないけど泣きそうなアレク。
約束は十一時でアレクが来たのはもう七時を回っていた筈。
意地を張らずに近くの喫茶店に入れば良かったのだ。
………私もまさかここまで綺麗に忘れられているとは思わなかったしね。

「約束を忘れられるのは凄く悲しいよ、アレク」
「ごめん……ごめん、マーティ……」
「もう忘れないで。私ももうこんな馬鹿な真似はしないから」
「うん…ごめん、マーティ」

私を直視出来ないアレクの顔を固定して。
仲直りのキスをせがんだら深いキスが返ってきた。


+++++
アレクは何かに夢中になると時間を忘れそう。
今回は開発で大失敗やらかした後処理。
仕事だからと寛大なマーティに甘やかされたアレクには。
大打撃だったに違いない………城も怒るよ。


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