ベッドに座る城さんの、足の間。
床に座って髪を拭いて貰ってる。
「柔らかいな……」
「そう?」
優しく丁寧に拭われていく水分。
いつも髪なんて乾かして寝なかった。
それを知った城さんは良い顔をせず、これがまるで日課の様になった。
「それに伸びた」
「今伸ばしてんの。目標は真矢さんなんだ」
「真矢さん?」
「ほら、サイドの髪だけゆるく結んで他は下ろしてる時あるじゃん?
あんな風にしたいから。まだまだだけど」
やっと肩を通り越した位の長さ。
城さんよりは長いかな、位で。
「あんな風な長髪に憧れてんの」
「そうか」
頭上では密やかな笑い声。
笑われた。
「長髪も似合うよ」
………もーこの人ヤダ。
これ以上俺を好きにさせてどうしたいの。
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まったりいちゃつく。
緋琉は嫉妬の対象にはなり難いと思われる。
でも時々嫉妬されると良い。