手を伸ばしたくなる20題
はやく!
「お待たせ、城さん!」

半袖カーキと長袖オレンジの重ね着。
ズボンは淡いグレーのハーフパンツ。
ハイカットスニーカーはデニム。
ドッグタグは二連で長さも素材も違うタイプ。
指輪は右中指と左人差し指にそれぞれつけていた。

「………いや。そう待っていない」

対してシンプルな白のロンTに白黒ストライプのワイシャツを重ね。
黒のスリムパンツを身に着け焦げ茶の革のブーツを履いた青年。
唯一の装飾品は銀髪から時折覗くルビィのピアスだけ。

「出掛けるんだね」
「池上さん!この間の賭けに勝ったんですっ」
「あぁ、射撃の的中率?」
「はい!」
「楽しみにしてたもんね、登君。行ってらっしゃい」
「行ってきます!」

今日は登が昨日眠れない程楽しみにしていた
城とのお出かけの日である。

「城さん…ホント、私服は雰囲気変わるよ」

城らしいシンプルさもある意味そうだが。
まるで雑誌からモデルが飛び出して来た様な気さえする登である。
登もあの兄ありてこの弟あり、
な美形だというのを忘れて感心している。

「登はイメージ通りだな」
「よく言われる。期待を裏切らないってさ」

城はどきりとする美形だが、登はぱっと人目を惹く美形だ。
通り過ぎる人ごとに視線が登を追う。
JDGはかなり顔立ちが整った者が多い為慣れもあるだろうが。
街に一歩出れば視線は登に集まった。
しかしそれに全く気付かない登の鈍さはやっぱり兄譲りだ。
城は知らず笑んでいた。

「何?何か面白い事?」
「いや……登と隊長は本当によく似てるな、と…」
「顔?よく言われる」

大好きな兄と似ていると言われる事は登にとってはとても嬉しい事だ。
にこりと笑えば小さな黄色い悲鳴さえ聞こえた。

(無自覚フェロモン。JDGは容姿に無自覚な人間が多いから)

岩瀬ですらあまり自覚がないのである。

「何処へ向かってるんだ?」
「ん?今?えっとねぇ………」

登は東京の名所をいくつか挙げた。

「俺まだ東京観光って殆どした事ないから!」

東京生まれの城にも逆に馴染み無い場所が多かった。
地元住民はあまり足を向けない程の観光名所ばかりだからだ。

「行こう!出来れば全部今日中に回りたいんだっ」
「分かった。とりあえず遠めの場所から行こうか」
「うん。道分かんないから城さんに任せても良い?」

甘える様な上目遣い。
登の一撃必殺技だ。
現JDG隊員でコレに勝てる人物は殆ど居なかった。
城も勿論その内のひとり。

今にも駆け出しそうな登を宥めながら。
とりあえず地下鉄の駅に向かう城だった。


+++++
城登デート編。
東京って観光名所何処ですか、浅草……とか?


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