たまらず流した15の涙
嗚呼、これこそが愛なのでせう
真矢さんが帰って来た。

議事堂が歓声に包まれる。
目の包帯は取れてない。
けれど真矢さん曰わく視界はほぼ回復したらしい。
まだ一日三種類の目薬と一種類の眼軟膏は三時間置きに必要らしいけど。
内臓損傷が嘘みたいに回復して、病棟のリハビリ室の筋力アップ用トレーニング機器を暇さえあれば使うから追い出されたみたいだ。

「お帰り真矢。みんなお前を待っていたよ」
「隊長。長らく休暇を頂きましたが一月後に包帯が取れたと同時に復帰します」
「無理はするなよ。あと外の穫り物への参加はまだ許可しないぞ?」
「了解です」

悠兄ちゃんの言葉が終わると同時にいろんな方向から口々に歓迎の言葉。
それに答えながらも真矢さんは耳を澄ましてる。

「そこにいた」
「………!!」

輪の外れに立っていた宇崎の方へ真っ直ぐ手を伸ばした真矢さん。

「ただいま宇崎さん、部屋まで連れて行って?」

真矢さんは見えてなくても宇崎さんのいる場所が分かるみたいだ。

「登」
「真矢さん、帰って来た」
「良かった」

うん良かった。
お帰り真矢さん。


+++++
真矢重体後の話。
真矢帰還。
万尋さんの居る場所は目を閉じてても分かるよ、とか言いそう。



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