必要として、必要とされて。
まるで奇跡の様な確率。
「悠さん、見て下さい」
「ん?登と……」
俺たちの傍には奇跡がごろごろしてる。
「城!」
「し〜っ!聞こえちゃいますよっ」
「………登、あんな顔するんだな」
「綺麗になりましたよね、登君。勿論仕事中は精悍な若者なんですけど」
登と城が惹かれ合って想い合ってるのは分かってる。
でも、なんとなく複雑だ。
別に城が不満な訳ではない。
「弟を取られたみたいで、淋しいですね」
そう。
当たり前な事なのに。
何故か淋しい。
淋しくて仕方無い。
「でも幸せそうで良かった」
まだ恋人ではないみたいだけど。
想い合ってるのは一目瞭然。
例えるなら流れ星にぶつかる位の奇跡がまたひとつ生まれるんだろう。
喜ばしいのに淋しいのは、仕方無いよな。
「さぁ行こう、岩瀬」
「はいっ」
「大丈夫そうだって」
「そうですか……」
「良かったね、城ちゃん。おにーさんに認めて貰えそうで」
「本人の口からまだ返事は貰ってないですから」
「早く口説き落として幸せになってね」
「貴方みたいに?」
「………!」
「………赤面し過ぎですよ、アレクさん…」
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他人から見た二人Ver.基悠
岩瀬→アレク経由で得る情報