「城さん聞いてる〜?」
「聞いてる聞いてる」
「そしたらさぁ兄ちゃんと岩瀬のヤツ、微笑み合うっての?幸せそ〜に笑いやがんのっ」
「そうか」
「でもって馬鹿らしくなって帰って来た!」
「登の部屋は此処じゃないけどな」
「俺の帰るトコはココなの!!とくとーせきっ」
酒瓶片手にふらふら来て。
慌てて部屋に引っ張り込んで。
酔いが回って例の台詞が出た。
「ね〜じょぉさん?ぎゅってして?」
隊長の様に自ら行かない。
相手にかわいくお願いする。
どちらがより質が悪いのだろうか。
「してくんないの?」
しゅんとした登はもそもそ動いてころりと横になると。
「じゃぁこれでいいや」
胡座をかいていた俺の脚に頭を預けて笑う。
「ココは俺のとくとーせきだもんね〜」
可愛い事を。
+++++
登の酒癖は兄と似ている様で違う。
兄は抱きつき魔。
弟はおねだりしてしてもらう。
兄はキス魔。
弟はキス待ち顔。
どっちもどっちで質が悪い。