傍にいて。
あれだけ願った事を手に入れた。

療養を兼ねた温泉旅行。
海の傍で遠く潮騒が耳に優しい。

「すっげ。超豪華じゃん！」
「普通だろ」
「え〜城さんそれ金持ち発言！」

顔色が良くない。

「俺疲れた。ねぇ昼寝しよ、ひとりで出掛けちゃやだよ？」
「昼寝……旅行に来てか？」
「三泊四日あるし良いじゃん！疲れた疲れたぁっ」
「分かった、分かった。昼寝な」

案内してくれた仲居さんを呼んで布団を二組敷いて貰う。

「お姉さん、布団引っ付けて」
「あらまぁ仲良しですのね」
「うん。布団引っ付けて並んでお喋りするから」
「三泊のご予定中、一組お布団ひかせて頂きましょう」
「うんありがとう」

お願い。
もうひとりにしないで。
例え眠っている時でもそばにいて。


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奇跡の生還後療養旅行到着。
城は普通に金持ちそう。