特別章 NG集
11章76話 NG「プログラムって大事ですよね」
◆【本編76話:親友、なんでしょ?】より
ヤキンの自爆を止めるために終焉の鍵の使うシーンから


「止めるに決まってるんだろ!! さっさとしろよ!」
「……信じてんじゃん……」

さっきは信じられないとか言っておきながら、この反転ぶり。私はハッキリ言って彼女が嫌いだ。キラ・ヤマトと同様に。

「アルト……俺も聞きたい……君が何故……」

カガリと話させると、埒があかないとわかったのか、アスランがカガリをなだめて私に向かって言った。
私は二人の間をすり抜けて、まっすぐに議長が座っていた席にあるコントロールに向かう。

「……ヤキンとジェネシスのシステム開発……私がしたから」
「!!」
「なっ!!」
「って言ったら、アスラン、キミは私を討つ?」
「アルト……冗談を言っている場合じゃ…」
「冗談じゃないよ……開発したのは、私」

そう言って、鍵を差し込む。


『終焉の鍵、認証します。ローディング中……』


機械的な音声が、鍵の正否を見るために全ての情報を照会している。その間に私はアスランを振り返った。

「そうだ、アスラン。キミ、こんなとこでのんびりしてていいのかな」
「えっ!」
「キラ・ヤマトが、危な…」


『警告します 警告します』


「え?」


『終焉の鍵 認証失敗。終焉の鍵 認証失敗 不正アクセス認識』


「は? ちょっ……マジで!?」

機械的な音に、私は焦りを隠せない。確かにコレは、終焉の鍵のはずなのだ。

「なんで…!?」
「アルト、鍵を間違えたんじゃないのか?」
「まさか! だって議長の胸ポケットにあるって…台本に…」

私はポケットから台本を取り出してアスランに見せる。

「ほら、ここ!」
「…確かに…パトリックの胸ポケットを探り、終焉の鍵を取り出す……って書いてあるな」

カガリも一緒に覗き込んで台本に書いてある文字を読む。

「でしょ! だから、間違ってない…はずなのに」


『不正アクセス認識 ヤキン自爆シークエンス最終段階』


「ええぇぇえ!? ちょっ!! どうしよ! まだ収録してないし!」
「とりあえず脱出だ!」
「え? だって……ヤキン自爆したら!」
「そんなこと言っていられる暇なんてない! 退避だ!!」

アスランは強引に私の腕を取り、走り出す。

「父上! 父上も起きてください!」
「わしは動けない設定だ」
「真面目な顔して芝居を続けないでください!! 撃ちますよ!」
「む……ジョークが通じない馬鹿息子め、誰に似た」
「アンタだよ!!」

アスランは冷や汗を大量に流しながら怒号する。まことに不謹慎ながら私は失笑をこらえることができなかった。

「……アスラン……私の腹筋崩壊させる気…?」
「いいから走れ!」

カガリにも腕をつかまれ、アスランは議長の腕を取り、懸命に機体まで走る。
みんなで脱出した時には、背後からヤキンが崩れ去っていった。


CUT!

(なんでいきなりヤキンが崩壊してるんだ!)
(あ、イザーク……なんか間違えたら崩壊したよ)
(なにぃ!?)
(アルトのせいじゃない。鍵が認識しなかったんだ)
(お前がついていながら!)
(とりあえずさ……ヤキン作り直しだね。収録伸びたなー)
(最後の最後までぇぇえぇ!! くそぉ!!)
(まぁまぁ、これが私たちらしいっちゃ、らしいじゃん?)
(納得できるか!!)

この後、3ヶ月はヤキン建設に時間をとられる哀れなラスト


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