特別章 NG集
7章54話 NG「失笑とは、こういう事か」
◆【本編54話:貴方が殺しましたか?】より
コンサートホールでラクスを発見し、彼女の元に行くシーンから。


「まいどっまいどっ! ラ〜ク〜ス〜!」

その声に、彼女が反応してハロの方を見る。その時、歌も中断され、会場内には一瞬の静けさが戻った。

「あら、ピンクちゃん! …やはり、貴方が連れてきてくださいましたわね…ありがとうございます」

今まで悩んでいるような表情だったアスランの顔が、ぐっと引き締められて、ラクスを睨みあげた。

「ラクス…」
「はい?」

ラクスは平然とアスランの睨みを受け流す。
彼女は相変わらず、天然なのか計算なのかわからない表情をしていた。

「アスラン!?」

アスランは急に走り出してラクスのいる舞台へと跳んだ。私も慌てて彼に続く……はずだったのだが、その足を急停止せざるを得ない事態になってしまった。


ずるっ ごすっ!!


「いてっ」

アスランが格好よく跳躍するシーンだというのに、靴が脱げてバランスをくずし、利き手を突こうとして、盛大にこけた。
見事にずるっと。

「……ぶっ」

笑いをこらえきれず、私は口元に手をやってみたが、漏れ出た声は拾えない。

「あ……あす……ぶっ…くっ……あすら……だいじょ……くっ……」
「………笑うか気遣うか、どっちかにしてくれ…」
「くくっ……うん……」

そうして私は大爆笑した。華麗にずっこけたアスランを指差して。

「……アルト、俺がそう寛容だと思うなよ……」

ふるふると拳を握り締めながら起き上がるアスラン。
少しばかりデコが赤くなってるあたり、顔面からいったらしい。さらに笑える。

「あっはっはっは! だ、だっ……って……くっ……あっはっはっはっは! だめ、しんじゃうー!」
「アルト!!」

お腹を抱えて笑う私に、アスランは力いっぱい叫んだ。私の声はホール内で、盛大に反響していた。

「あらあら、アスラン……NGキングに輝くおつもりですか?」

舞台の上でラクスはちょこんと座り、アスランを見下ろしている。
その微笑みは、私には嘲笑にしか見えなかった。

「NGキング!! いいね!! ラクスに座布団一枚!!」
「あら、ありがとうございます」
「盛り上がるな!!」


CUT!

(靴が脱げて転ぶとか、いつの時代のコント!?)
(今度からオーダーにする…)
(苦労賞!)
(字が違う!! そんな賞はいらないから!)


キャラ投票
嘆きの華キャラに投票しよう!
下記の中からアナタの推しキャラを選んで応援してください★


コメント入力も可能ですよ☆


Homeへ戻る
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -