特別章 NG集
7章50話 NG「妻、激ラブ」
◆【本編50話:…なんて言うのは冗談で】より
アスランとアーティが、議長にスパイ手引きの詳細を聞きにいったシーンから。


「…状況は認識したな?」
「ハッ!! いえ、しかし…私には信じられません…ラクスがスパイを手引きしたなどと……そんなバカな事が…」

それは、私も同じだ。平和をこよなく愛すあの歌姫が、戦局を混乱させるような行為をするとは思えなかった。
その言葉を受けて、議長は手元の装置を操作すると、壁にスクリーンを展開させる。

「見ろ」

短くそう言われて、展開されていくスクリーンに私たちは目を向けた。
映し出されたスクリーンに映っていたのは、アスランに激似な女性が優しく微笑んでいる映像。なにやら軍手をはめて日除け帽子をかぶり、けっこう泥にまみれている。それでも美人オーラが漂っているのは、隠せなかった。

「……え?」
「……父上……」

私がその映像に目を奪われていると、アスランが議長の方を冷たい視線で見ていた。
すると、無言で議長は映像をオフにして、チャンネルを切り替える。

「見ろアスラン、アルテミス。公証の監視カメラの記録だ。フリーダムの奪取は、この直後に行われた」
「確かに、ラクスが映って……って、何事もなかったかのように振舞ってますけど、さっきの明らかにホームビデオでしたよね!?」
「何をしてるんですか父上!!」

明らかに間違えた映像を流してしまったというのに、議長はとてつもなく冷静に対応してくれるから、あやうく流されかけるところだった。

「……ちっ、お前たち、細かい事は気にするな」
「いやいやいや!! NGですから! 今のシーン、ばっちりカメラに収められちゃってますから!!」
「というか、父上! 撮影中に何をしてるんですか!!」
「この撮影の間中、レノアには会えないんだぞ!? お前の顔ならたまに撮影所で見かけるから別にどうでも良いとして、私はいったいいつになったら家に帰れるのだ!! ビデオぐらい好きに見させんか!!」

とっても迫力のある声と表情で叫ぶ議長に、私たちは一瞬押し黙る。

「……えっと……あの、監督に話してみては……?」
「すでに終えている!!」
「…そうですか…」


CUT!

(あの…すみませんけど、とりあえずテイク2なんで)
(編集でカットすればよかろうが!! 私は二度、同じ事をするのが嫌いなのだ!)
(えー……)
(父上…とりあえず、そのビデオはここで見ないでください……没収です)


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