特別章 NG集
5章37話 NG「認めません」
◆【本編37話:すけとうだらってヤツらしいよ】より
オーブに潜入する事が決定して、その準備を行うシーンから。


「潜入の用意? っていうか、今からする気だったの、ザラ隊長?遅すぎますわよ」

私はアスランの不思議そうな顔を鼻で笑ってしまった。

(…ごめん、アスラン。今の私はトゲがあり過ぎるみたい。少しでも兄様の声が聞けたら治まるかもしれないんだけど…)

兄様欠乏症が悪化し過ぎて、自分でもどうしたら良いのかわからないなんて、口が裂けても言えなかった。

「へぇ、アルトの方が準備良いじゃん?」
「たまには、役に立つなジェニウス?」
「……たまには? いつもでしょ。そんな悪態つく子には、カッパのウェットスーツを手配するよ!」
「なっ!!」

私はイザークに、傍らの箱から取り出した銀のカッパスーツを投げ……ようとして、箱を探っていたが、探せど探せど銀のカッパスーツが見当たらない。

「あれ!? ……ない……」
「ふんっ!! あんな物、この俺様がすでに廃棄してやった!!」
「…………は?」

私が必死になって箱を探っていると、イザークは仁王立ちになって得意げに言い放つ。

「なん……て事をするんだキミは!! あのウェットスーツの手配に私がどれだけ奔走したか!! 緑はいっぱいあるけど、銀はなかなかないから、もういっそオーダーかなって兄様に相談したんだよ!?」
「そんなくだらない事で隊長に相談するな馬鹿者!」
「何がくだらないよ!! 私のストレス解消法を舐めるな!!」
「というか、貴様隊長と会えないせいでストレス溜まってたんじゃないのか!! 相談したなら会えてるだろうが! どこにストレスの原因があるのか言ってみろ!」

イザークが力いっぱい叫ぶ内容に、私はふと気づいてしまった。

「…よく考えたら、毎日会ってるわ」

イザークの力説に、妙に納得してしまう私だった。


CUT!

(っていうか、イザーク……あの銀のカッパスーツがないと、撮影進まねぇぜ?)
(シナリオを変更したら良いだろうが!!)
(じゃあ、イザークが監督に言ってね)
(!!)


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