◆【本編36話:…これから帰投する】より
母艦でオーブ潜入に関してミーティング中、イザークとディアッカが退出する一歩手前のシーンから。
「ヘリオポリスとは違うぞ……軍の規模もな…。オーブの軍事技術の高さは言うまでもないだろ。表向きは中立だが、裏はどうなっているのか計り知れない、やっかいな国なんだ…」
「ふん……OK、従おう」
アスランの説得に、イザークはあっさりと承諾した。やはり小ばかにしたような表情でアスランを見下げる。
「俺なら突っ込んでますけどねぇ? 流石、ザラ委員長閣下のご子息だ。まっ、潜入ってのも面白そうだし? 案外ヤツの……あのストライクのパイロットの顔を拝めるかもしれないぜ?」
「呼んだー?」
イザークが予定通り、ブリーフィングルームをディアッカと一緒になって出て行こうとした瞬間。ドアが開いてキラがのほほんと登場してしまった。
「…………」
「…………」
「……あれ?」
キラは不思議そうな顔をして、イザークとディアッカを見上げている。そしてアスランを発見し、その隣にいる私とニコルを見て、あっと叫びそうになる口元を手で押さえた。
「……母艦間違えちゃった!」
「間違えすぎだろぉ!! 貴様、艦の概観も造りも全く別物なのによく間違えられたな!!」
「え? だって、内装セットは一緒だから、間違えちゃうよ」
「貴様は第二スタジオで収録だろうが!! スタジオ自体が違うわボケェェ!!」
イザークがキラの胸元をがしっとつかみ、前後左右にシェイクして絶叫している。
本人に知られると非常にマズイのだが、イザークの激怒した表情が面白すぎて私は半死半生の態で爆笑を必死にこらえていた。
「あはー、じゃあアスランまたねー」
「キラ…今日の晩御飯はハンバーグだから一緒に帰ろう」
「うん! いつものスーパー行こう!」
そうして笑顔でキラは去っていった。
CUT!
(貴様ら真面目に収録する気があるのか!?)
(すでにNG仲間のキミに言われたくないなぁ。ね、アスラン?)
(イザークもハンバーグ食べたかったのか?)
(いらんわっ!!)
(…イザーク、どんまい☆)