◆【本編31話:あのおバカ…】より
OSを砂漠用に書き換えているアーティをディアッカが庇うシーンから。
「ディアッカ!?」
【さっさと書き換えちまえよ! 終わったらデータ流してくれんだろ?】
「…ちょ、……それ、マジ?」
【その間の攻撃と守りは、俺がしてやるから】
ディアッカはニヤッと笑うと、バスターの砲撃を強めた。そして文字通り、私の機体を背にしてかばうような姿勢をとる。
「交換条件…ね、まぁいいよ。どうせ後で流すつもりだったし……でも」
【でも?】
「イザークに流すのが先。たぶん今頃は……『くっそぉぉ!なんだコレは!?』…とか怒り狂いながら砂漠の砂に足を取られてるかもだから」
【ああ……あり得るな…】
「でしょ?」
そう言いながらも、私の手は止まらない。次々と運動パラメータのプログラムを開きながら書き換えていく。流石に、ちょっと時間がかかるのは仕方ないって事でディアッカに守ってもらう他ない。
【くっそ、いい加減に墜ちろ!!】
「あ、ダメ! ディアッカ! その軌道は…!!」
【ああ?】
ドォォォン!!!
「………足つき、堕ちた…?」
【…堕ちた…よな】
私たちは一瞬の沈黙の後、手を叩いて喜んだ。
「すっご!! ディアッカ天才じゃない!? 足つき堕ちたよ!!」
【は……はははははは!! グレイト俺!!】
【って、待てこらぁぁぁ! 貴様ら喜んでる場合かぁ!!】
私たちが手を叩いて喜び合っている時に、怒り心頭したイザークの通信が唐突に開いた。
「あれ? イザーク、なんで怒ってんの?」
【貴様らの頭はトリか!! トリ並みか!? あそこで足つきを堕として、この先の展開どうするつもりだ馬鹿共が!!】
「…あ」
【…あ】
そうして何故か私までも兄様に呼び出されて、小一時間ほど正座で説教された。
CUT!
(うぅ……なんで、私まで…)
(聞いているのか? アーティ)
(はいぃぃぃ! ごめんなさい兄様、しっかり一言一句違わず御尊言を拝聴しておりますぅぅぅ!!)
(ふむ。それで宜しい)