特別章 NG集
3章20話 NG「リテイク知らずの女王」
◆【本編20話:テヤンデイ!】より
キラが単独でラクスをアスランの元に返すシーンから。


【色々とありがとう、キラ。…アスラン、貴方も】

ラクス嬢の声が、イージスの回線からしっかりと聞こえてくる。どうやら、無事にアスランの元まで戻ってこれたらしい。

【キラ……お前も一緒に来い!】
〔……!〕
【お前が地球軍にいる理由がどこにある!?】

アスランが何かを決意したように、声を張り上げた。コックピットをお互い開け放した状態で、彼の顔が見えたせいもあるだろう。私が聞いているというのも忘れて、アスランは感情的になっているようだった。

(うーん……結構正論だけど……でも、無理だと思うよアスラン)

そんな事ができるなら、彼は最初からプラントに居るだろうし、捕獲された瞬間に大人しく同行しているだろう。
こんな面倒くさい事にならずに済んだはずだ。

〔僕だって……キミとなんか戦いたくない……でも……ううん、やっぱり、こんなの嫌だ! アスラン、僕をつれてって!〕

(そうそう。つれて……って、えぇぇぇぇ!?)

【キラ! やっぱりお前も!】
〔アスラン! 僕、やっぱりこんな役嫌だよ! 君と一緒にプラントに行く!〕
【キラ……ああ、ああそうだ、一緒に…!】
【お待ちなさい、そこのバカップル二人組み。私にテイク2をさせるつもりですか】

アスランとキラが予定外の台詞でヒートアップしている所に、とても静かな声が響く。私はその声に、背筋を伝う何かを感じた。

「…ラクス……怒ってるな、あれ」

通信先から聞こえるサウンドだけでも、こうなのだ。直接聞いたアスランやキラはもっと恐怖に引きつっているに違いない。

【さぁ、今この台詞だけは編集でカットしてさしあげます。キラ、ちゃんと演技出来ますわね?】
〔は……はい〕
【良い子ですわ……さぁ、仕切り直しです】

パンっと手を軽く叩いてにっこり微笑むラクスの顔は、とても穏やかだったのに怖かった。


CUT!

(ら…ラクス怖っ!!)
(それより俺は撮影中だという事も忘れてイチャつけるあの二人の方が怖いぞ)
(イザークだって似たようなモンじゃない)
(俺がいつお前とイチャついた!?)
(…えっと、普段から?)


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