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「ん……んん」
舌を絡めている間にブラのホックを外されて。
なんか手慣れてないか、コヤツ。
ひそかに眉をしかめる。
ツルリと皮を剥くようにインナーごと、上の服を脱がされた。
うううう。
申し訳程度に肩に引っ掛かるブラだけ残った上体を、腕で隠す。恥ずかしさに見上げた椿を睨むと、クス、と嬉しそうに笑って。
なんでお前はそんなに余裕なんだー!
「余裕なんかじゃないけど。ものすごーくガッついてるし」
ああうんまあ、そのヤラシイ手の動きで十分わかりますけど。
「ん、ぅン、……ちょ……ひゃ、」
指先で柔らかな胸の先を不意に摘まれ、身体が跳ねる。
形を確かめるように手のひらで覆われて柔らかく揉まれて。
「や、もう……椿も脱げ……っ」
私はほぼ脱がされて、弄られまくってるというのに、椿はまだネクタイさえほどいてない。
どうにか、遊ぶ彼の腕から逃れようと不満をもらすと。
「脱がせてよ、伊万里」
クスクス笑いながら楽しそうにねだってくる。
うううこのばかー。
むっと唇を引き結んだ私は、対抗するように椿に手を伸ばす。
解きやすいようにか、身を屈めてくれて――と、思ったんだけど違った。
「ゃあ、ん」
身体全体で覆い被さってきた椿に耳を食まれる。
舐められて、ゾクゾク震えが走って。
シャツのボタンを外そうとした指が、うまく、動かない。
「あ、遊ぶな、ってば……!」
「ふふ」
伊万里、可愛いすぎ。耳元で囁く声はひたすら甘くて。
脳みそごと、溶けそう。
やっとのことで剥いてやって、椿の裸になった胸をペタリと触った。
システム管理なんかやってるし、昔のイメージもあったから、インドアだと思ってたのに意外にも。
「かたい……。なんか、運動、してたっけ?」
「ちょ、伊万里、くすぐったいよ、」
さわさわさわ。
筋肉の付き方を調べるように手のひらを這わせる。
自分はあんだけ触っといて駄目だとかケチなこと言うなよ。
「住んでるところに、ジムがあるからね。暇なときとか、伊万里につれなくされて欲求不満になってたときに利用させてもらってました。
プールもあるよ、今度行く?」
いや、私は今の発言のどこにツッコめばいいんだ。ジムとプールがある住居って。
「水着持ってない……」
結局、全然関係ないことを漏らす。
「買ってあげるよ」
…………。
遠慮、したほうがいいかもしれない。
音符が付きそうな声で言われちゃったりすると、どんなモノを着せられるか心配になるじゃない。
「伊万里、スタイルいいから楽しみだな〜」
……エロ親父みたいだし。
ふよふよとまた二つのふくらみを弄り出しながら、どこか恍惚とした表情で椿は呟いた。
「胸も、形いいよね……ペッタンコだったのに」
「いつの話してるんだよ……っ」
ペッタンコの胸にもこうゆうことしたかったな、って変態かー!!