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▼ 寝顔をパシャリと

「ボスー、入りますよー」

私がドアを恐る恐る開ける。周りを見回すとボスがいた。
なんだ、それなら返事すればいいのに。と思いつつ書類をボスの机に置こうとする。

「……すぅ」
「あ、ボス寝てるや」

私はボスの机に書類を置いた。しかしボスってば本当に寝ているな。
先日の任務、1人で行かれたとはいえ結構疲れたみたい。ボスを起こすのもアレだしさっさと退散しようとするか……。

「ボス、髪綺麗だな……」

私はそう言って、ボスの髪を触る。普段見えない前髪の部分を持ち上げる。まつ毛の長い、キレイな顔が見える。
普段見えないとはいえ、ボスの寝ている顔を拝めるのは貴重だ。記念に一枚撮っておくか。

パシャリ

携帯にボスの顔を収める。これはなかなか貴重な写真だ。保存しておくか。
その時、ボスが少し動いた気がする。いや、起きてしまっている。

「……何をしている」
「あ、いや、なんでもないです」
「手に持っている携帯はなんだね」

ボスが目ざとく私の携帯を発見する。さすがボス、目ざといぜ。

「ちょっと、ボスの顔でも撮っておこうかなって」
「それなら私が起きている時でもいいだろう」
「で、ですよねー……あ、私、仕事に戻ります!」

私はボスの視線に耐えられなくなり、部屋を出た。ボスが「待て!」と言っていた気がするがお構いなしだ。

「実はボスの寝ている姿を撮りました!ごめんなさーい!」

私はそう叫びながら部屋から遠ざかった。ボスが追ってくる気配はない。
私は携帯の画面を開く。寝ているボスの写真を見ながら、つぶやいた。

「……ボス、綺麗ですよ」

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