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▼ 朝なんてこなきゃいいのに

ふと、私は目が覚める。窓を見ると、まだ夜のようだ。
隣のベッドを見るとアクセルが寝息を立てながら眠っている。よっぽど疲れていたんだな、と思い、私は水を飲みに部屋を出た。


水を飲み、部屋へ戻ると、アクセルはまだ眠っていた。まあ夜だから当然か。
彼は時間を移動できると行っていた。にわかには信じがたいが彼が言うのであれば本当なのかもしれない。
ここだけの話、私は彼に思いを寄せている。ヘラヘラしてるけどいざというときにはやる男なのだ。
もし彼が今移動してしまったらどうしよう。今移動してしまえば思いを伝えることができないかもしれない。

「……行かないで」

ポツリ、とこぼした呟きは夜の中に消えていく。私は「起きてるはずないか」とつぶやきながらベッドへ入っていった。

「……心配しなくても俺はどこにも行かないよ、ななしちゃん」

少しだけ意識があった彼のつぶやきは、私の耳には届かずに。

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